なんででしょう？【青葉城西】3巻

89話目 ページ27

「なぁなぁ深森」

「聞こえてまぁぁすかぁぁぁ！！！」

「なぁ」

「深森」

「A」



「うざいです」

そういって声の主のほうへ顔を向ける。

そう、今迄の呼びかけすべてが木兎さんによるものなのだ。


「深森が返事しねぇからだろ！！！」

「うるさいです。
ほかの人も勉強してるんですから、もう少し静かに」


ついついきつい口調になってしまったが大丈夫だっただろうか。

そう思いもう一度彼のほうを向くと見事に落ち込んでいた。

「俺なんてどうせうるさいだけのやつ」

としっかり落ちるところまで落ちてしまっている見慣れないテンションの木兎さん。

これが噂の「木兎しょぼくれモード」か。

しかしまた聞いていたよりもはるかにめんどくさそうだ。
赤葦さんはよくこんなのを手懐けられているな。

しかしどうしたものか。
まぁ放っておけば自然になおるか。

そういう結論に至ったので木兎さんをしばらく放っておくと、木兎さんを挟んで隣の席な研磨から苦情が来た。

「AがやったんだからAがどうにかして。」

「私には荷が重い」

そんなやり取りをしていると、ここで救世主。

アイスを取りに来た赤葦。

「赤葦さん」
「あかーし」


「「これ何とかして」」


二人でかぶってしまったそれに笑いをこらえていると

「いや」

「せっかく木兎さんと離れられたのにまた俺がお世話しなきゃいけないのは無理」

「そんなこと言わずに」

「これあげるから頑張って。」

そういって渡されたのは棒アイス(そーだ味)






頼りがいがなさすぎる。

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