６人の王子様と白雪姫 (ページ8)

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神宮寺side

「はぁぁ…………」

ため息つくのはこれで何回目？
さっき他のクラスの名前も知らない子にコクられた。
こういうことはよくあって、そんな時は相手を傷つけない程度に、自分の気持ちを伝えて、フッていた。

フラれた女の子は、『ごめんね』と謝りながら去っていく子もいれば、泣き出す子もいた。
俺には好きな子が"いなかった"から、コクられてもフッてた。
だって好きでもない子と付き合うのってどうかと思う。

長くなったけど要するに、俺には今、好きな子がいる。

それは前の席の女の子。
初めてあったとき、めっちゃ綺麗な子だと思って、つい口に出てしまった。

「わ、めっちゃ美人。」

やば。聞かれてないかな？…………って思ったけどバッチリ聞こえてたらしい。

「え？」

混乱して、こっちを見る女の子。
肌は白くて、艶々で真っ黒の髪を少しなびかせて振り向いた。

やっぱり綺麗。

「あー、急にごめん。俺、神宮寺勇太。よろしく」

俺はそのとき悟った。
あ、もう終わりだ。って。

はじめの挨拶ベタすぎん？いきなり名乗ってよろしくって…………
よろしくねえよっ！！←

ほら絶対ドン引いて＿＿＿＿＿＿＿

「私、白雪A！よろしくね」ﾆｺｯｯ

Aちゃんって言うんだ。可愛い←

そのあと、入学式で爆睡した話とか、色んな事話して盛り上がった。
あ、仲良くなれてる。よかった。

俺はその時からAちゃんが好き。

なのにあの子は。

「玄樹～っ！」

何で？

君は、俺だけ見てればいいのにな

「勇太くん？ため息なんかついてどうしたの？」

ほら、いつも君は。

俺の気持ちになんか気づかずに、あの笑顔で笑う。