６人の王子様と白雪姫 (ページ14)

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「……………」

「……………」

気まずい。
え、私なにかしたっけ？？？

「……………ケガ」

「へ？」

「ケガないん？階段から落ちたって聞いたけど？」

「あー。無いよ。平気。」

あ、そ。って素っ気なく返事をするのは廉。
事情があって今は彼と二人きり。

「学校楽しい？いじめられたりしてへん？」

「……………いじめてた張本人のクセにwww」

「あー。そやったな。笑」

そう。私は一時期、彼にいじめられていた。

＿＿＿＿これは、私が体験した過去の話。

幼い頃から引っ込み思案だった私は、玄樹以外、友達はいなかった。

小学２年の夏、大阪から近所に男の子が越してきた。
それが、永瀬廉。彼だった。

「永瀬です。これからよろしくお願いします。」

廉のお母さんが挨拶に来てウチのお母さんと直ぐに仲良くなっていた。
私は玄樹と一緒に庭で遊んでいたからその時のことをよく覚えている。

その後に廉のお母さんが「いくつ？」って聞いてきたのも。

「ななさい。」

当時まだ7才だった私たち。玄樹は12月、私は2月生まれ。
「じゃあ２年生か！」って優しく笑ってくれた廉のお母さん。

「ウチにもね、二人と同い年の男の子がいるんよ。仲良くしてあげてね」

私たちは何の躊躇いもなく「うん。」と言った。
それから数日後、廉とはじめて会った。
彼は整った顔をしていて、純粋に「カッコいい」って思った。
関西弁でちょっと話し方がキツかったけど、普通にいいヤツだった。
私、玄樹、そして廉。３人で遊ぶことが多くなった。

そして夏休みが終わり、二学期。
廉は私たちと同じクラスに転校してきた。
席は運よく私の隣。

「Aやん！よろしくなっ」

「何よ、改まって。笑
いつも通りの廉でいいのに」

「そやな！笑」

いつの間にか私は玄樹よりも、廉と一緒にいることが多くなっていた。