12・待ち合わせ ページ13
私は七瀬くんが好き。
そう思いたくなかった。
最初に好意をチラつかされたとき、拒絶しようとしてしまったのに。
今更好きだなんて、身勝手にも程があるよ。
彼女は、自分の行動を省みた。
それに、友達であるアケミの元カノと付き合うのは少々気まずいところが無きにしも非ず。
考えていると、やけにカーテンから差し込む光が気になった。
眩しいな、息を飲むとその音すらうるさく感じてしまう。
真っ白な壁に設置された時計を見る。
カチ、カチ、と秒針の動く音が耳元でなっているようにこだまする。
「あ…」
時計を見ると、朝の少し遅い時間。
カーテンをジャー、と音を立てて開けると、朝日はもう既に真上に登っていた。
…そうだった。
初めて七瀬くんとラインをしてから、日を跨いだんだ。
でも今は、感情にひたっている暇はない。
一秒でも時間が惜しい。
秒針よ、止まってくれ。
そう願ってみたりもするがそんなことは起きない。
むしろ、秒針の音のなる間隔は短くなったようにすら感じた。
それも焦りからくる現象だ。
家を出る時間をもう既に十数分過ぎているんだ。
靴のかかとを踏みそうになりながら、玄関を出た。
鍵が中々入らなくてイライラする。
コンクリートを踏みつけていると、蟻の行列を見かけた。
毎日雨が降ったり晴れたり、寒かったり暑かったりするのに、一生懸命生きている。
自分より一回り大きいものをせっせと運んでいるものだってある。
しかし、今は私はそれどころではない。
よって、何匹か踏み潰した可能性がある。
ごめんね、蟻。
全く心のこもっていない謝罪を心の奥底で唱えながらも、
彼女はアケミとの集合場所についた。
息は当然ながら切れている。
こんなのは、シャトルラン以来だ。
体力がないので、転んだふりをして棄権した。
結果は十何回かだったはずだ。
一先ずアケミの元に着いたのだから、
こうやってどうでもいいことを考えたっていい。
「アケミ、やっほ」
はあ、はあ、と息は整うことを知らない。
喋るのですら通常のようにままならない。
「やほ！ってかめっちゃ息きれてるけど大丈夫そ？」
ちょっと眉を困らせて、アケミは彼女の方を見据える。
「ん、だいじょぶ。ちょっとボーッとしちゃってて遅れそうだったからこの世の生きとし生けるものを踏み潰しながら走ってきた」
本当に大丈夫だということを伝えるために、彼女はいつもより早口でジョークをかました。
いつものノリだ。普段大人しいけど、アケミにだけは聞かせられる。
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なす - 好意のない人から押し付けられる更衣になってますよ〜 (2022年4月25日 1時) (
レス) @page4 id: 6740f04f29 (このIDを非表示/違反報告)
うきび - 天才☆ (2022年4月24日 1時) (レス) @page4 id: 654256a91c (このIDを非表示/違反報告)
崇 - いろはさん» コメントありがとうございます！ナナオさんに読まれたら悶えますねwwとんでもなく恥ずかしいですw (2022年4月3日 0時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
崇 - 名無し90169号さん» コメントありがとうございます！ナナオさん同士で紛らわしくも面白くなっちゃいますねw (2022年4月2日 23時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
崇 - しらす星人さん» ゴリラといい雰囲気になるナナオさん、ゴリラに惚れ込むナナオさん、ゴリラに告白するナナオさん、どれをとってもカオスですねwww (2022年4月2日 23時) (レス) id: 8a6bf88ba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：崇・ナナセストの権化 | 作成日時：2021年6月29日 22時
