六 ページ8
千夜 side
「……どっちでもいい、どっちでもいい…君がいなくなった世界に…」
休憩時間中。
椅子に座ってサンドイッチを食べているとふと昔聞いた曲を口ずさむ。
その曲はなんだか今の私に酷似していて。
ああ、もう…。
「笑えてくるなぁ…。」
あの時、あの人の異変に気付いて私がドナーになっていたら。
あの時、私がもっと早く来ていれば。
…そんな意味のないタラレバが頭をよぎる。
…はは…私はあの時乗り越えたんじゃなかったのか。
もしかしたらそれは形だけだったんじゃないかとさえも思えるほどに一気にが後悔が押し寄せてくる。
……本来なら。
…本来なら…私が彼女のドナーになっていたはずだったのに。なのに…逆に私がドナーを提供されてしまった。
私なんかより、よっぽど彼女のほうが生きたほうがよかった。
彼女も…生きたかったはずだ。
私は下を向いた。
すると、制服のスカートには水が零れ落ちて円形のシミを作っていく。
――――あれ、水なんて持ってたっけ。
そう思ったが、水を持っている感覚も覚えもない。
…ああ、そうか。きっと汗をかいたんだ。
暖房が少しまだついている室内でいっぱい動いたからきっとそうだ。そうに違いない。
私はそう思って瞳からあふれ出ている雫に気づかぬふりをし、残り一口だったサンドイッチを頬張った。
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fubuki(吹雪咲彩)(プロフ) - あいわな=あるてのちゃんさん» だよな知ってた。うん、地雷踏む覚悟だった見なくていいよって話なんだよなぁ……() なんなら他の人に変えます?お気に入り登録まだされてないから今なら変えられるし(( うん頑張る(( (2020年11月29日 22時) (レス) id: d350e9c723 (このIDを非表示/違反報告)
あいわな=あるてのちゃん - どうも、うちの子はそんな子じゃありません党の代表です。(?) 地雷踏む覚悟で友の作品を見に来ました、(?) 応援してるからガンバ、! (2020年11月29日 22時) (レス) id: 7f877cb593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吹雪咲彩(fubuki) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel
作成日時:2020年11月29日 17時