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「…いってきます。」
誰もいない部屋に響くのは私の声。
返してくれる人なんていない。
別に一人暮らししてるから当たり前なのかもしれない。
…でもそれはきっと実家にいても同じなのだろう。
親は家にいない。
決して蒸発したとかではない。
定期的に連絡は来るし、お金もちゃんと二か月そのお金だけで生活したとしても申し分ないほどの額が振り込まれてくる。
…帰ってこない理由は海外へ転勤になったからだ。
それは中学生のころから。
別にさみしいなんて思わない。だって一人は慣れてるから。
でもたまに親が帰ってきたときはとてもうれしかったのを覚えている。
…やはり心のどこかでは少し寂しかったのだろうか。
ドンッ
「ぁ…すみません。」
「あ、ぇと……いや、あの、こっちこそすみません…。ま、前見てなかったもので…」
「いえ、此方側の不注意ですので、そちらが謝ることでは…。それに此方も考え事をしながら歩いてましたし…。…あ、すみません、急いでるので…もういきますね。」
考え事をしながら歩いてたのがあだになったのだろう。白髪高身長イケメンにぶつかってしまった。
さすがにこっちが悪い。そう思い謝ると相手も謝ってきた。
…しかも怖がらせてしまったのか、それとも相手が会話下手なのか。はたまたどちらもなのか。キョドりながら。
…これじゃ私が悪者に見えそうなものだが…。
それに謝り続けてもきっと相手も引き下がらない。そう思い私は足早にその場を去った。
…少し歩いて数分。とある看板が見えてきた。
そこには“カフェ・ネモフィラ”と書かれた看板がぶら下がっていた。
立てかけられている板には“Close”の文字がある。
スタッフ用裏口から店に入り、制服に着替える。
表のほうを見ると店長が店の前を掃除しているのを見つけた。
急いで外に出て店長に挨拶する。
「おはようございます、店長。掃除なら私がやりますよ?」
「おはよう千夜ちゃん!いや、これくらいは私がやらないと。全部あなたに任せっきりなんて私が嫌だもの!」
そういうと店長は掃除を再開する。
…店長、結構自分でやってるじゃん。逆に私が任せっきりな気しかしないんだけど…。
まあとりあえず他のを終わらせよう…。
数分後、ほかのことが終わった私は厨房に立った。
理由?そんなの簡単。
「まずチョコを切って…」
店長の好物であるホットチョコミルクを作るため。
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fubuki(吹雪咲彩)(プロフ) - あいわな=あるてのちゃんさん» だよな知ってた。うん、地雷踏む覚悟だった見なくていいよって話なんだよなぁ……() なんなら他の人に変えます?お気に入り登録まだされてないから今なら変えられるし(( うん頑張る(( (2020年11月29日 22時) (レス) id: d350e9c723 (このIDを非表示/違反報告)
あいわな=あるてのちゃん - どうも、うちの子はそんな子じゃありません党の代表です。(?) 地雷踏む覚悟で友の作品を見に来ました、(?) 応援してるからガンバ、! (2020年11月29日 22時) (レス) id: 7f877cb593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吹雪咲彩(fubuki) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel
作成日時:2020年11月29日 17時