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それからまた二言三言質問のやり取りをしていると、いくらか前に撤退していった片方、ファンタジーな服装の方の子が戻ってくるのがわかった。……いや、むしろすっ飛んでくると表現した方がいいかもしれない。敵意が強すぎて接近がわかりやすい。あとは、後方に何人か。……急に気配が現れたから、あのあたりにワープ地帯でもあるんだろうか。

「ジタンくん、キャミソールっぽい青の服の子って、バッツくんとスコールくんとどっち?」
「あー、名前は聞いてたか。その特徴だとバッツだけど、それがどうしたんだ?」
「すごい勢いですっ飛んでくる。接触まであと3分ってところかな」
「えっ」

じゃあ黒の服の子がスコールくんか。よろしい。いやまったくよくないけど。ギリ障壁は張れる。
ジタンくんの反応は黙殺させてもらおう、さっさとやらねば。

「『四重シールド(とりあえず壁)』──ひとまずはこれでいいかな」

光が何度か私たちをそれぞれ覆って、消える。とりあえず今余力を残して一気に重ねがけできる上限ぶん。馴染んできたのを確認して、ジタンくんを脇に抱える。困惑は伝わってきたけど構ってられない。さあどう誤解を解こう。
接触まであと10秒、9、8……

「ジタン、無事か!?」

きた。牽制は銃に任せて、私は飛び上がる。さすがにあの勢いで突っ込んでこられたらシールド関係なく吹っ飛ばされる。それは勘弁願いたい。
空気が爆ぜる音と共に土の魔力が放出される。なるほど私と同じで拘束に出たか。さすがはあの子仕込みの魔工知能。よーく私の戦略をわかっていらっしゃる。
スピードを殺さずあえてその下を突っ切ることで避けられたのはまあ想定内。たぶん私を吹っ飛ばしてそのままジタンくんを奪還する作戦だったんだろうなあ。ごめんよ。

「バッツ止まれ! 俺は大丈夫だから!」

ジタンくんが脇に抱えられたまま声を張り上げる。お腹だけに力を入れて発声してるのか。器用だ。なんか猫みたい、とかは言ってはいけない。
大ぶりの枝に着地して、ジタンくんを下ろす。ここならそうそう巻き込むまい。

「一応気を付けるけど、流れ弾は気合で避けてね」

そう言い残して、ひと飛びに地面へ。できれば乱戦は避けたいなあ。今更か。

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(プロフ) - コメ失礼します!FF好きには堪らん作品ですね!(^o^)更新頑張って下さい! (2021年5月20日 17時) (レス) id: 2b27f1dc52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セキ | 作成日時:2020年4月27日 18時

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