とこしえのゆめ (ページ6)

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「ハハハ……マジかよ……」

とりあえずこれ以上攻撃されないように拘束した。そんでもって説明してもらおうと思った。ら、突然ジタンくんが苦い顔で乾いた笑い声を上げた。え、何、どゆこと？

「悪い、完全に俺たちの早とちりだ。今さら弁解の余地なんかねーだろうけど」

早とちり、カオス、聖域。……もしかして。

「私がカオスとやらに召喚された戦士で、かつその聖域とやらから近めのこの森で、襲撃の準備をしているように見えたってこと？」
「あとは手を掲げた動作が魔法の予備動作に見えた、も追加で頼む」

はあ、さいですか。なるほど。つまりはさっきの戦闘は盛大な勘違いが招いたものだったってことだ。まあ君だけでも誤解が解けたようでなにより。
ああでも、バッツくんやスコールくん(どっちがどっちだかわからないけど)やこれから来るっぽい援軍へはどう釈明しようね……？経緯はどうあれ応戦しちゃったわけだし。嫌な予感しかしない。

「キミ達3人がファーストコンタクトだったんだけどなあ、状況はやっぱりわかんないままか……」
「それはほんとにスマン」

ため息をひとつ。まあいいや。最悪の事態はたぶん避けられるに違いない。というか魔法もろもろフル活用で避けてやる。

と、その前に。

「──『バインド解除(ナバイン)』、『二重ケアル(ケアルチェイン・ダブル)』」

もう必要のない拘束を解いて、ついでに打撲跡(そう、私は頑張ったので結局彼に一度さえ切り傷を与えなかった！)を治しておく。
目視では重ねなくてもたぶん問題はなかっただろうけど、念には念を入れて。敵対の意思がないことを表しておくに越したことはない。

「お、サンキュな」

に、と笑みを返される。尻尾がゆらりと上がって、また下りる。たぶん本来は明るい性格なんだろうな。ほんとに完全敵対することにならなくてよかった。彼は異世界のひととはいえ、庇護すべき存在と似たようなかたちに嫌われるのは結構堪える。