Prelude ページ3
目が覚めると、そこは知らない場所でした。
ベタだ。ベタすぎる。どこの作品ももうこんな手垢のついた導入は使わないだろう。そういう問題でもないけど。
ひとまず目を閉じて深呼吸。目を開けても、やっぱり知らない場所だ。困ったな、まだ事後処理が済んでない。
「敵対的な気配がないことだけはありがたいかなあ」
さっきからこっちを窺うように見てるひと達はいるけれど、あくまで警戒であって敵意を向けられてるわけでもないし放置一択。それより武器の点検が優先だ。もうふたりの審判者と較べて魔法や力で劣る分、こういう所で手は抜けない。
まずは銃ふたつ。外装は片手で扱えるよう小型化した火縄銃だけど、魔法弾の連射ができるように陣を構築してるから陣のメンテナンスが肝心なんだよね。怠って事故でも起こしたらアイツらにどやされる。
で、槍。この大槍は魔法を纏わせて大鎌にすることもあるから、穂先の点検が大事。あとは刃の付け根も。何かの拍子にぽっきりいったら精神的にも物理的にも死んじゃう。
よし、今のところは問題なし。どっちもあとでちゃんと出力部分の確認しとこう。
……たかだか十数分くらいじゃ退いてくれないかあ。うーん、どうしよう。威嚇射撃なんてしたくないし。
「ねえ、そこの陰から見てる3人組ー。私べつにドンパチやるために来てるわけじゃないから出ておいでよー」
何もしないからさ、とにっこり笑って手を振ることも忘れない。──あれ、何か対応ミスったっぽい。
金の髪と、同じ色の尾をもつ男の子が双剣を手に突っ込んでくるのを慌てて避ける。ちょっと。
「初見で信用できないのはまあわかるとしてもいきなり攻撃はなくない!?」
槍に土属性の魔法を纏わせて攻撃をいなしていく。……あ、近くで見るとこの子猫目だ。ってことは、獣人だったり?
「ジタン!」
「バッツ、スコール、お前らベースに戻って援護呼べ! こいつは俺が引き受ける!」
どっちがどっちだ。いや違うそこじゃない。やっぱり初手で対応間違えたな!?
「こっから先は通さないぜ、オネーサン?」
「先に攻撃してきたのそっちなんですけど!?」
ああもう、なんて厄日!
2 (side 9)→←アンリエットのところの世界観というか魔法とかに関して
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愛(プロフ) - コメ失礼します!FF好きには堪らん作品ですね!(^o^)更新頑張って下さい! (2021年5月20日 17時) (レス) id: 2b27f1dc52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セキ | 作成日時:2020年4月27日 18時