楽園のカーストルールー3 ページ3
Side I
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「フフ,彼も面白いわね。 ・・・・・・イイわ、彼も招待することにしましょうか。」
急に、部屋の鏡を真顔で覗きはじめたと思ったら、姉さんはそう笑顔で呟いた。
口元は笑っているけれど、手の中に在る綺麗な扇子を開いたり閉じたりと、苛ついているのが見てとれる。
何か気に障ることでもあったのだろうか。
兎も角、また誰かを招待するつもりなら、招待状の数と”配達員“を増やさなければならない。
どんな奴かと一緒に鏡を覗きこめば、そこにはイケメン男子の姿が。
「だれ、それ?」
「知らな〜い、でも”私の文句“を言ったのよ、なかなか面白そうな子じゃない?」
嗚呼、そういうことか。
その子もかわいそうなことに。そんなことを言いさえしなければ、この”忌まわしい”ゲームに招待されることもなかった筈なのにな。
・
ま、どうでもいっか。どうせ姉さんに気に入られちゃったら終わりだし、いちいち情けをかける暇もない。
もう一人を招待するって配達員に頼みに行かなきゃなぁ、ちょっと面倒。
そう思って部屋をでて、長い廊下をゆったりと歩いていけば、
いつの間にか窓の外には、綺麗な藍色の帳が街を見下ろすように落ちていっていた。
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作者名:柚soda@ | 作成日時:2020年11月7日 18時