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数回のコール音のあと、はい、と少々煩わしそうなヘンクタッカーの声が聞こえる。
驚いたがあの圧倒的な試合の後だ、ファンやアンチからの電話がひっきりなしに鳴っていたのかもしれない。日本ではその全てを日本サッカー協会が請け負っているが、ＣＢＦ(ブラジルサッカー連盟)のサポーター対応はプロチームだけだ。
だからこそ、ガルシルドが自由に動けるというものだが。
「Aです」
「ああ、あなたでしたか。どうされました？」
「ロニージョに取り次いでいただきたいのですが、よろしいですか？ 聞きたいことがありまして」
「ええ、構いませんよ。監視を一人つけますがよろしいですね？」
返事が遅れたAに、ヘンクタッカーさんはすぐに付け加えた。
「もちろん、あなたを信頼していないというわけではありませんよ。あなたと話してロニージョの気が緩んでしまわないようにするためです。彼にミスは許されないのですから」
その言葉に少し安心して、素直にお願いしますと取り次ぎを頼んだ。長めの保留音が鳴り、それが外れたあと、久しぶりに彼の声が耳に届いた。思わず顔がほころぶ。
「やあ、久しぶり」
「ええ、久しぶりロニージョ。体は大丈夫？ 私がいなくなってから、アンが暴走してたりしない？」
「あ、ああ……練習は厳しいけど、前とあまり変わらないよ」
「そう、良かった……」
「それで、今日はどうしたんだ？ 電話だなんて珍しいな」
「あ、うん。あのね、日本のチームのＦＷ選手なんだけど……」
模擬戦の映像を巻き戻しながら虎丸のことを簡単に話す。
「……そうか、自分でシュートを打たないんだな」
「そうなの。別にシュート練習での精度が悪いわけじゃないし」
「本番で緊張しているとかじゃないか？」
「うーん、他のプレーは初出場からのびのびできてるのよね」
「あとはそうだな、上級生への遠慮とか」
１２歳、チーム唯一の小学生ながら、オーストラリア戦でもシュート以外の局面で活躍していた虎丸。
上級生の遠慮……考えにくいがその根拠もないためとりあえず思うあてを探してみる。
「……まあ気持ちは分からなくもないよ。シュートを打つのは怖いからな」
そんな思考のさなか降ってきた言葉が、なぜかすとんと胃の中に落ちた。
「……怖い？」
「センターラインから、ひょっとしたら自分たちのゴール前から、その瞬間のためにみんなが繋いできたボールだからな」
「ロニージョでもそう思うの」
「もちろん、百本打って百本決める覚悟はある。でも、千本打って千本とも決められる選手は、未だ生まれてないんだ、再度」
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» 初見朧〜〜！！ 大変長らくお待たせ致しました🥹🥹 頑張る〜〜！！ 初見朧も忙しいだろうに読んでくれてありがとう🫶💕 (5月5日 13時) (
レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 待ち望んでおりました……！ついに2人が……！めちゃくちゃ楽しみ！！！2作同時は大変だろうけど頑張ってね！！！ (5月5日 12時) (レス) @page2 id: 8439059883 (このIDを非表示/違反報告)
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