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「よっ、とっ、はっ」
私には元より外出禁止令が下されていない。いやに広く見えるグラウンドを贅沢に貸し切って、隅の方でウォーミングアップにリフティングを始めた。
ブラジルにいたときはガルシルド様の実験の一環で人並み程度にはプレーできるように仕込まれていたが、日本に来てからボールを触った記憶もないため、カンを取り戻さなくてはならなかった。
五十回ほど続くようになったら、続いてドリブル練習。みんながランニングに使っているコースを使ってボールを蹴りながら走った。ボールに目を奪われないようにしながら、顔を上げて、フォームに気を配って。
ただ走るときと、ドリブルをするときでは、使われる筋肉も違う。
サッカー経験のない女に、日本代表チームのフィジカルトレーナーなんか、務まるわけない。
サッカーをしたいと言ったら呆気なく私を外に出した久遠監督は、これを伝えたかったのだろうか。
本当に？
「……私がブラジルのサッカーチームと行動を共にし、彼らには遠く及ばないけど多少プレーできる状態だということは、響木さんは知っているはずよね」
そもそも、私のことを見ている様子がまるでない。
それはそうだ。元々監督は選手のためにある。
「あーーーー！！」
「わ！？」
響いてきた大声に肩を揺らして宿舎を見上げる。
二階の部屋、自室の窓から身を乗り出した円堂君が私を見て目をうるませている。
「再度、サッカーできたのか！？」
「え、ええ、まあ……」
「いいなあ〜〜！ くぅ〜〜〜！！ 俺も練習した〜〜い！！」
顔を引っこめる彼。しばしの静寂。そのうち、落ち込んだ顔をした彼が、すごすごと自室に戻ってきて窓に貼り付いて私を見つめているのが見えた。我慢できずに飛び出そうとして、階段下で見張っていた監督に追い返されてしまったのだろう。
「悪いことしちゃった……」
夕食抜きを言い渡された子供の前でステーキを堪能するようなもの。ここで練習するのはやめよう。この近所には、河川敷があったはずだ。
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» 初見朧〜〜！！ 大変長らくお待たせ致しました🥹🥹 頑張る〜〜！！ 初見朧も忙しいだろうに読んでくれてありがとう🫶💕 (5月5日 13時) (
レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 待ち望んでおりました……！ついに2人が……！めちゃくちゃ楽しみ！！！2作同時は大変だろうけど頑張ってね！！！ (5月5日 12時) (レス) @page2 id: 8439059883 (このIDを非表示/違反報告)
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