11話 ページ15
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珍しくも、この時一番に口を開いたのは麻日奈であった。
「いきなり奇襲なんて
「ちょっと麻日奈〜！ メビウスじゃなくてメイビスでしょ〜？！ ぁはは！」
ふざけた二人の笑い声。はじめから二人に戦う気などなかったのだ。メイビス・ファミリーを下に見ている。
そんな言動は、メイビス側を少しばかり気をたたせるのにはうってつけだった。案の定、蓮水は、怒りを露にする。
「んだとぉ〜！？」
「言わせておけ」
上手くのせることができた、そう思った麻日奈が踏み出そうとしたが、それはメイビス・ファミリートップ、蓬莱凛によって蓮水の怒りを静められてしまう。
「おいおい、よそ見とか暇もて余してるみたいだね」
陸津の拳が蓬莱を襲う。その脇では、六乙が東雲に向かって突進しているところだった。
「ねぇねぇねぇ！！ 逝ってもらおうかなァ？！ 青髪さん？！」
右手にナイフを握り締め、東雲の首を狙う六乙。しかし、その刃は東雲に触れることなく空気を切るばかり。
「私さぁ、言うこと聞かないヤツ、だいっきらいなんだよね」
六乙の目からハイライトが消えた。
・
一方そのころ、麻日奈は珍しくもピンチ的状況にあった。
蓬莱の言葉によって正常さを取り戻した蓮水は速く、二つ名の通りの“蜃気楼”だった。麻日奈が気がつく頃には消え、別の場所に現れる。
麻日奈の対応が遅れた。
その一瞬を逃すことなく、蓮水は麻日奈を締め上げる。
「……ッ！ …………がァ！！」
麻日奈は、呼吸の道を閉ざされ、息ができなくなり、意識が朦朧とする。しかし、腐っても彼女も極道であり、暗殺に長ける人物。
蓮水の腹を肘で思い切り突き、呼吸を確保する。蓮水から軽く距離をとり、もう一度麻日奈は彼女と向き合った。
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