序章 永遠と一瞬 ページ1
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風が少し肌寒くなってきて、薄手の上着を羽織り始めた時期だった。
庭には丁寧に手入れされた植木が並んでいて、その傍にあった一本の大きな楓の木が、葉に猩々緋を溶かしこんでいたように思う。
その道を考えついた途端に脳が震え、緊張しながらもこれを切り抜ける手法がないかどうかを考える。
目の前の少女は何百回目かというゲームにも飽きた様子を見せず、葵の瞳で黙って俺を見つめていた。こちらを見透かすようにしながら、絶対に自分の胸の内は悟らせないという自信。
しかし、これならばどうだ。
コトンと駒が盤上に置かれる。逆にもしこれで出し抜かれでもすれば一転こちらは危機的な状況になるのだが、リスクを侵さずして勝利は得られない。
チェックメイト、と紡いでも、彼女は眉一つ動かさなかった。じっと盤上を見つめ、やがて視線を上げて俺を見る。得意になったポーカーフェイスで見つめ返した。
そうだ、この手はお前に教わったものでなく、自分自身で編み出した戦術。お前から聞いたものでお前に挑んでも敵うわけがない、俺は俺の手で掴みにいかなくてはならなかったのだ。
自陣はガラ空き。しかしこれをサッカーに置き換えれば、ハイプレスで攻め込んでいる隊形。これを切り崩すにはロングボールでダイレクトプレーをするしかない。だが、チェスでそれはできまい。
考え込む彼女。背中に冷たいものが伝う。夏の終わりに相応しくない、凍てつくような空気。
しかし、彼女はやがて口元にフッと笑みを浮かべた。
私の負けです。
……
その時に見せた彼女の笑みが温かく、今でもはっきりと脳裏に映し出せる。
確かなのはその日初めて俺がAに勝利したということと、また彼女が初めて微笑みを見せたということだった。
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杳覇(プロフ) - に近い感じかな……？ 私の作品の中ではかなり短くまとまると思うんで、暇なときに覗いてくれると嬉しいです！ 更新がんばるね〜〜！！ (2021年10月8日 12時) (
レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» 初見朧ありがとう〜〜！！ バチくそに頭良い子なので私に書き切れるかどうかは賭けです🙂 選手に指示を出してゲームを組み立てていく司令塔よりはマネジメントに近い役割だけど、そういう認識でも大丈夫です！ フィールドメイキングするスタッフ (2021年10月8日 12時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - あっどちらかと言うと日常の練習での司令塔という感じっぽいね(↓設定までしか読んでなかった) (2021年10月8日 11時) (レス) @page6 id: 2897e279c0 (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 遅れました！！わー作ってから一週間経ってるー(棒読み)頭良さげな子だね！(語彙力はテストで溶けました)選手じゃないっぽい？司令塔の補佐みたいな感じかな？楽しみにしてるね！頑張って！！ (2021年10月8日 11時) (レス) @page2 id: 2897e279c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 白雪林檎さん» コメントありがとうございます✨ わ〜〜昔から読んで下さってるんですね！ めっちゃ嬉しいです…！！ ありがとうございます☺️💓 お褒めのお言葉も光栄です✨ 更新頑張ります！！ (2021年10月7日 6時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
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