運命4＃ 守りたかった場所 ページ10
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車のクラクション、女子高校生の高い笑い声、電話をするサラリーマン。
たくさんの音が行き交う東京を、いくあてもなく歩きながら、イナズマジャパンの天才ゲームメイカー鬼道有人はじりっと奥歯を噛み締めた。
──まさか、敵があんな卑劣な手を使ってくるとは。
一星充を一刻も早く排除しなくてはとは思っていた。
事実、昨日の試合は、チームメイトである灰崎凌兵、吉良ヒロトを使い一星を潰すために動いた。
一星はイナズマジャパンになんらかの組織から送られたトロイの木馬であった。
親友に怪我を負わせようとした事実。
サッカーをこれっぽっちも愛していない者たちが卑怯な手で試合を操っていること。
許せなかった。
自らの手でフィールドから葬り去ってやるつもりだった。
しかし……。
結果として、鬼道はドーピング使用の疑いで、実際のFFI管理局の者かも分からない男たちにイナズマジャパンを追放された。
一星の企みを阻む者がいなくなり、また猫をかぶる必要もなくなったことで、奴らはより自由に動くことだろう。
それで仲間が危ない目に遭うかと思うと、鬼道は恐ろしくてならなかった。
壁を殴りつけたくなる衝動を押さえつけながら歩いていると、注意力も散乱していたのだろう、鬼道は人にぶつかった。
「……すまな」
「あぁん！？ 何ぶつかってきてんだテメェ！」
謝ろうとしたのを遮って、男は怒鳴りつけた。
鬼道が初めてそいつの顔を見て、心の中でため息をつく。
面倒くさいのに絡まれた。
ヤンキーもどきの柄の悪い男が、同じようなやつ三人を引き連れて鬼道を見下ろしていた。
「オラァ、骨折したわァァ！」
「虎のアニキに怪我負わせやがって、ああーん？」
「治療費払え治療費！」
一昨日であれば、彼は何の迷いもなく持ち合わせていたものを差し出しただろう。
面倒を起こしてイナズマジャパンに迷惑をかけないために。
怪我を負って、勝てる試合を逃さないために。
今でも悪夢として蘇る、フィールドにすら立てず負けた帝国での去年の世宇子戦。
もうあんな思いはしたくなかった。
だが……今の彼に、守るべき場所などない。
「……あいにく、お前に払うような汚い金は持ち合わせていない。」
「！」
急に、どうでも良くなった。
あれだけ必死に守ろうとしていた居場所は呆気なく奪われ、一人になった。
ならいいじゃないか、全てを投げ出したって。
どうせ一人だ。このまま堕ちていったって──……。
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» ありがとーー！！ あっ。すごい。ほんとだ。気付いたけど偶然。すっごい偶然。花言葉が綺麗だったから……。 ありがとう！！ 頑張ります！！ (2020年12月4日 16時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 新作！！！待っておりました！！！……多分偶然。そう。偶然。別に私とは何の関係もな(何とは言いませんが)頑張ってねー！ (2020年12月4日 16時) (レス) id: aad0c5d4c9 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 蒼乃さん» お早いコメント！！ありがとーー！！ 頑張りますっ！！ (2020年12月4日 16時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 新作！！楽しみ！！杳覇のペースでがんばってね！！ (2020年12月4日 16時) (レス) id: c9e288890e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時：2020年12月4日 16時
