運命2＃ 朱雀の誕生 ページ8
それから更に半年が経ち、Aは独り立ちすることにした。
族を抜け、情報屋として金を稼ぐことに。
最初は反対していたメンバーも、やがて受け入れてくれた。
Aはその日から「情報屋・朱雀」となった。
朱雀は依頼者の欲しい情報の重要度に合わせて金を要求する。
逆に、そいつに倍の金を払えば、間違った情報を流してもくれる。
その存在はほとんどのヤンキーが知っているのに、男か女かも分からない。
依頼すると突然現れて、それが終わると闇に溶けるように消える。
まるで「蜃気楼」だと、不良たちは噂した。
一人の男が路地裏を歩いていた。
その足取りはフラフラで、今にも倒れそうだった。
若い男だが、頬に青あざを作り、額に大きなコブを作り、その唇は切れて血が滲んでいた。
その男の目に、月明かりに照らされてローブを被った小柄な人間の姿が映し出された。
途端、男は血相を変えて、そいつの元まで走った。
「テメェ、朱雀！！ 話がちげえじゃねえか！ 奴らは肉弾戦を好むから、武器の一本も持ってないって……」
「……奴らから、お前の倍の金を払われた。お前の渋ったぶんだ。」
アルトの声だ。少女か。しかし、声の高い少年かも知れない。あるいは変声しているだけかも知れない。
ともかくその声は、興奮した男に事実だけを淡々と述べた。
「ざけんな！！ 金返せゴラァ！！」
「金は前払いで、返金はできない。元よりそういう約束だったはずだ。」
「なんだとォォ！？」
男が求めた情報は、今不良界で猛威を振るう族「白き虎」の弱点だった。
そいつらを倒して、自分たちこそがてっぺんに立ち、支配してやろうとしたのだ。
しかし、得られた情報とは反対に、奴らはバットやら竹刀やら木刀やらを匠に操り、男の仲間をボコボコにした挙句拘束した。
男は仲間を捨てて、慌てて逃げ出したのだった。
思わずその襟首を掴み上げる。殴りつけてやろうと拳を持ち上げた。
途端、目の前からそいつの姿が消えた。
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» ありがとーー！！ あっ。すごい。ほんとだ。気付いたけど偶然。すっごい偶然。花言葉が綺麗だったから……。 ありがとう！！ 頑張ります！！ (2020年12月4日 16時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 新作！！！待っておりました！！！……多分偶然。そう。偶然。別に私とは何の関係もな(何とは言いませんが)頑張ってねー！ (2020年12月4日 16時) (レス) id: aad0c5d4c9 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 蒼乃さん» お早いコメント！！ありがとーー！！ 頑張りますっ！！ (2020年12月4日 16時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 新作！！楽しみ！！杳覇のペースでがんばってね！！ (2020年12月4日 16時) (レス) id: c9e288890e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時：2020年12月4日 16時
