運命9＃ 開放の条件 ページ15
「……お、まえは……。あ！」
固まっているAにツカツカと詰め寄り、両腕を彼女の頭上で拘束して壁に叩きつける鬼道。
力では男には敵わない。
Aは痛みに顔をしかめながら、彼を睨んだ。
「とりあえず返してもらおうか。」
「……なんのことだか……ひうっ！」
しらばっくれようとしたAのズボンのポケットに、鬼道はなんの躊躇いもなく手を突っ込む。
くすぐったさと妙な羞恥から顔を赤くするAの前へ、そこから取り出された財布を掲げてみせた。
途端に、バツの悪そうな表情で目を逸らすA。
「残念だったな。俺はあんな手には引っかからない。」
「チッ……。」
Aに見せつけるように、ゆっくりと財布をしまってやった。
ギリッと彼女の奥歯を噛み締めた音が聞こえる。
そして、鬼道がどうしようかと考えていると、Aは表情を崩し、眉根を下げて苦笑いを浮かべた。
「なあ、頼むよ。この前助けてやっただろ。見逃せ、な？」
「それとこれとは話が別だろう。何が『な』だ。」
「ちぇっ……。」
思惑が外れ、面白くないというように唇を尖らせた。
そんな彼女を見て、妙だと思う。
この前会ったときには大人びていて、数々の修羅場をくぐり抜けたベテランヤクザみたいな雰囲気を持っていたというのに。
目の前で表情をコロコロ変えるこの子の様子は、子供らしく見える。
と、強制的に逃げ出そうとしたのかAの脚は蹴りを繰り出そうと持ち上がる。
が、既に警戒していた鬼道の靴底に、難なく抑え込まれてしまった。
「……まあ、このまま警察署への連行はやめてやろう。」
「！」
「その代わり条件がある。」
「……なんだよ。」
すぐには連れて行かれないと知り、歓喜の表情を浮かべたAだが、続いた言葉に緊張した顔へ戻った。
そして鬼道が次の言葉を発する前に、「分かった。」と声を上げた。
「この前言ってた『ムカつく奴』、一星充の情報が欲しいんだろ。『鬼道有人』クン？」
「！ なぜ俺の名前を……。」
「朱雀の情報網を舐めんなよ。」
朱雀が何かは分からなかったが、情報収集能力に長けた奴なのだろうか。
出したかった条件はそれとは別だったのだが、彼女が話し出したので、聞いてやることにした。
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» ありがとーー！！ あっ。すごい。ほんとだ。気付いたけど偶然。すっごい偶然。花言葉が綺麗だったから……。 ありがとう！！ 頑張ります！！ (2020年12月4日 16時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 新作！！！待っておりました！！！……多分偶然。そう。偶然。別に私とは何の関係もな(何とは言いませんが)頑張ってねー！ (2020年12月4日 16時) (レス) id: aad0c5d4c9 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 蒼乃さん» お早いコメント！！ありがとーー！！ 頑張りますっ！！ (2020年12月4日 16時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 新作！！楽しみ！！杳覇のペースでがんばってね！！ (2020年12月4日 16時) (レス) id: c9e288890e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時：2020年12月4日 16時
