命令74＃ 餓狼の殺気 ページ30
「……あれ」
ある日、部屋に入ると、お二人の姿がなかった。
そういえば、さっきから充さんも見当たらない。
……全身を嫌な予感が貫いた。
「っまさか……！」
窓に飛び付く。
大きな湖が目に飛び込んで来た。
……その縁に、充さんと、お二人を見つけて。
「まずいっ」
部屋を飛び出した。
「灰崎、やっちまえ！」
「おう！！」
パシッ。
「「──！！」」
凌兵さんの拳を、片手で受け止めた。
案の定、お二人は充さんを殴ろうとしていた。
ヒロトさんに羽交い締めにされた充さん。拳を受け止めたまま、「大丈夫ですか」と尋ねる。
「〜〜A！いくらテメーでも、これ以上邪魔しやがると──」
「凌兵さん」
自分でも驚くほど、冷たい声が出た。
凌兵さんが目を見開いている。
今、僕は、思ったよりも怒っているようだ。
「……たとえ如何なる理由があろうと、仲間を傷付けることは許さない。これ以上やると言うのなら、──僕が本気で相手になります」
「「っ！！」」
全身から出る殺気を止められない。
凌兵さんの拳を包み込んでいる指に、少し力を込めた。
凌兵さんの顔が少し歪む。
「っうるせえ！こいつは暴力以上のことをしてんだろーがよ！！」
拳を振り解き、凌兵さんは訴えた。
……凌兵さんにとって、有人さんは光だったんだろう。
修也さんという憧れと、有人さんという光をどちらも失って、怒りが抑えられないんだ。
……分かります。僕にも、その気持ち。
けれど、このやり方は間違っている。
「──お前達！何やってるんだ！！」
「！」
そこへ、守さんと共に、明日人さんや鉄之助さん、つくしさんが駆けてきた。
この現場を見て、呼びに行ってくれたのか。
守さん達の姿を見て、ヒロトさんは渋々充さんを離す。
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杳覇(プロフ) - 陽菜さん» コメントありがとうございます！ どの辺りまでご覧になったのか存じ上げないのでネタバレになってしまったらすみません。今作の命令91でバラしています。 (2020年8月24日 20時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
陽菜 - みんな女の子だって知ってるの？ (2020年8月24日 19時) (レス) id: 0dcd5b296d (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» ありがとーう！！ええ凄いまだ見てくれていたの！？とっくに見放されていたかと……(( ありがとう！！更新ｏ(･д´･+)ゞ頑張ﾘﾏｯｽ♪ (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - りのくさん» りのく様ー！！ありがとうございます！！詳しくご感想頂き感激です…！！ そこです！漸く蓬莱ちゃんが女の子になったので、ヒロトくんには「後輩」ではなく「異性」として蓬莱ちゃんに接して貰います…！！ご期待ください！ 本当にありがとうございます(T ^ T) (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 氷浦メグさん» そうなのですね！時間が出来たらぜひ見に行きます！！お力になれたのなら幸いです＾＾ (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2020年3月23日 10時
