命令68＃ 痛かった ページ24
Aside
「……！？明日人さん！！」
いつまでも来なかった衝撃に、目を開いて驚いた。
僕の前に、ボールを受けて倒れた明日人さんがいたからだ。
「明日人さんっ！なんで……」
「……あれ以上、見てられなかったんだ……Aが傷付く姿なんて……」
「っ……ちょっと、我慢して下さいね」
「へ……？」
監督は明日人さんを交代させるつもりはないらしい。
僕は明日人さんの膝裏と背中に両腕を回して、持ち上げた。
「わぁ……！？」
「すみません……すぐ運びますから」
「いやいや、Aの方が……！」
「僕は大丈夫です」
腕の中で顔を赤く染める明日人さんに、笑いかけた。
明日人さんの優しさが、サッカーを守ろうとする強さが、嬉しかった。
No side
「──鬼道さんがチームを守るのなら、俺は、サッカーを守ります！」
担架の上に寝転がり、氷のうで頬を冷やしていた稲森が、黙り込んでいる鬼道に言った。
その声を聞きながら、神門に消毒してもらうA。
「っいてて……！」
「！大丈夫……？」
「うう……はい」
傷口に染みる消毒。こんなものがあるなんて、Aは知らなかった。
治りが早くなるのだと、以前木野が言っていた。
Aが痛みを堪えていると、隣に氷浦がやって来た。
「……痛くなかったのか」
「え？」
「シュートに飛び込んで……」
氷浦の真っ直ぐな瞳は、Aのことを心配していた。
その言葉に思い出す。無我夢中だったその時のこと。
「……痛かった」
「「「っ……」」」
目を伏せる三人。
だけど、次のAの言葉に、目を見開く。
「……手加減されていて、痛かった……」
「……どういう意味だ？」
風丸が、ちらと鬼道を見遣りながら尋ねた。
Aはふっと顔を上げる。
そこに、傷付いたような表情を浮かべている三人を見て、優しく笑った。
「�狒瓩�退いてくれ�瓩辰董牒狃�付けたくない�瓩辰董帖帖�
あの時のボールの一つ一つが、そう叫んでるように見えて……。
僕はこの人達を傷付けているんだって……心が、痛かった」
「「「……」」」
Aの表情は、どこまでも穏やかである。
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杳覇(プロフ) - 陽菜さん» コメントありがとうございます！ どの辺りまでご覧になったのか存じ上げないのでネタバレになってしまったらすみません。今作の命令91でバラしています。 (2020年8月24日 20時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
陽菜 - みんな女の子だって知ってるの？ (2020年8月24日 19時) (レス) id: 0dcd5b296d (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» ありがとーう！！ええ凄いまだ見てくれていたの！？とっくに見放されていたかと……(( ありがとう！！更新ｏ(･д´･+)ゞ頑張ﾘﾏｯｽ♪ (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - りのくさん» りのく様ー！！ありがとうございます！！詳しくご感想頂き感激です…！！ そこです！漸く蓬莱ちゃんが女の子になったので、ヒロトくんには「後輩」ではなく「異性」として蓬莱ちゃんに接して貰います…！！ご期待ください！ 本当にありがとうございます(T ^ T) (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 氷浦メグさん» そうなのですね！時間が出来たらぜひ見に行きます！！お力になれたのなら幸いです＾＾ (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2020年3月23日 10時
