命令47＃ 喧嘩 ページ2
Aside
「……ん……あ、れ？」
「！Aくん！気が付いたのね！？」
体がズシッと重い。重りが乗ってるみたいに動かない。
意識がはっきりしてきて視線を彷徨わせると、ベッドの脇で僕を見つめていた秋さんと目があった。
「……秋さん」
「覚えてない？Aくん、練習中に倒れたのよ」
「……あ」
そうだ。思い出した。
確かシュート練習を終えて、宿舎に戻ろうとした時、急に意識が遠くなったんだ。
そういえばここ、最初に僕が過ごしていた医務室だ。
「……え！？今何時ですか！？」
「え？えっと……朝の10時くらいだけど」
「わあっ！すみません、ご迷惑を……！！すぐ練習に戻ります！」
「な、何言ってるの！？今日はゆっくり休んで──」
「そんな、休んでる場合じゃ──」
無理やり体を起こして、ベッドを飛び出そうとした、その時だった。
「無理だっつってんだよ」
「！」
聞いたこともないような、冷たい声が部屋に響いた。
ぴた、と動きを止める。
ヒロトさんが、入り口に立っていた。
「ひ、ヒロトさん……」
キョトンとしていると、ヒロトさんはズカズカ医務室に入ってきて、僕の胸ぐらを掴んだ。
「！？」
「てめえなあ！倒れるなんざ何やってんだ！！初心者が1日2日で何とかなるとでも思ってんのか！？無茶ばっかりしやがって！！
いいか！？てめえのその行動は俺達にはただのメーワクなんだよ！！」
「なっ……！！」
意味わからない。急に怒鳴りつけられて。
先輩だって分かっていても、言われっぱなしは癪に触った。
クッと睨み返して、胸倉を掴んでいる手を引き剥がす。
「確かに倒れて、皆さんに迷惑かけたのは謝りますけど！そんな言うことないじゃないですか！」
「二人とも、喧嘩は……」
「僕は少しでもチームに貢献したいんです！その気持ちまで、無下にすることないでしょう！？」
「そういうのが目障りなんだよ！出しゃばんなバーカ！！」
「ヒロトさんのわからずやっ！」
「何だとこの意地っ張り！」
お互いに引かず、バチバチと睨み合う。
ヒロトさんはチッと舌打ちして、冷たい瞳で僕を見下ろした。
「俺の言ったこと、半分も理解出来てねえみたいだな。もう良い。お前が反省するまで、口聞いてやんねえからな！」
「言いましたね？ヒロトさんこそ、自分の言ったこと後悔なさっても知らないですからね！」
フンッ！
プイッと顔を背けてやった。
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杳覇(プロフ) - 陽菜さん» コメントありがとうございます！ どの辺りまでご覧になったのか存じ上げないのでネタバレになってしまったらすみません。今作の命令91でバラしています。 (2020年8月24日 20時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
陽菜 - みんな女の子だって知ってるの？ (2020年8月24日 19時) (レス) id: 0dcd5b296d (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» ありがとーう！！ええ凄いまだ見てくれていたの！？とっくに見放されていたかと……(( ありがとう！！更新ｏ(･д´･+)ゞ頑張ﾘﾏｯｽ♪ (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - りのくさん» りのく様ー！！ありがとうございます！！詳しくご感想頂き感激です…！！ そこです！漸く蓬莱ちゃんが女の子になったので、ヒロトくんには「後輩」ではなく「異性」として蓬莱ちゃんに接して貰います…！！ご期待ください！ 本当にありがとうございます(T ^ T) (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 氷浦メグさん» そうなのですね！時間が出来たらぜひ見に行きます！！お力になれたのなら幸いです＾＾ (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2020年3月23日 10時
