第264話 得意な道筋で ページ38
ボールを貰った美麻は、唐突に逆方向へ走り出した。
「「！？」」
全員が驚いているけれど、気にしない。
美麻はセンターサークルで漸く立ち止まった。
顔を上げる。チャンスとばかりに、チームKのメンバー達が駆けてくる。
美麻は一つ、息を吸った。
『(ここでいい。ここが……)』
目を見開く。
『(私の一番得意なコースよ！)』
「！」
ボールが浮いた。美麻が滑るように動く。
まるで自分にボールを渡しているかのような動きに、ロゼオは目を剥きつつも、上体を傾けた。
と、刹那、ボールが眼前から消える。ハッとした時には、既に抜かれていた。
「何っ!?」
次に来たのはアズベル。巨体が自慢のディフェンダー。でもね、
美麻は勢いよく突っ込むと、彼の手前で跳躍した。
『(頭上を越えられたら、意味ないのよ！)』
ボールを足に挟んだままなので、大きく宙返りしたような動きになる。
アズベルが驚いて見上げると、美麻と目が合った。
ニコッ。微笑む。悪魔の笑みに動きが止められる。
「くそっ、なぜ急に……！」
次々と突破されていく仲間たちを見て、デモーニオが直々に動き出す。
そのせいでディフェンスラインが崩れたことに、彼はまだ気づいていない。
その時、美麻は閃いた。彼の目を欺く方法を。
「抜かせるか！お前なんかに、俺は抜けない！」
『どうかしら？』
一か八か。しかし、やってみる価値はある。
やらない限り、彼は抜けないだろう。一発勝負だが、動くしかない。
美麻は、片足にボールを乗せた。その動きを見て、デモーニオが失笑する。
「ハッ、お得意のヒールショットか？悪いがシングルもダブルもタイミングは見切って──」
デモーニオの笑みが凍り付いた。
いつまで経ってもボールが上がってこないのだ。
下か？しかし、美麻の足元にもボールはない。
その時、美麻の右肩からボールが跳ね上がってきた。
虚を突かれ、デモーニオは反応できない。
「バカな……ボールが、消えただと……！？」
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Vermut(プロフ) - 蒼乃さん» ありがとおおおお！！めちゃ嬉しいです！夜叉姫も中々の山場……！！更新がんばるよーー！！ (2020年2月8日 14時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 合格おめー！！また夜叉姫楽しむねー！！(今までも楽しんでたけども！)受験の後は更新だー！← ファイト〜！！ (2020年2月8日 14時) (レス) id: c9e288890e (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - 五月雨さん» ありがとうございます！！わぁ…そんな風に思って頂けてるなんて、すっごく嬉しいです…！！更新頑張ります！！ (2020年2月8日 14時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
五月雨(プロフ) - 第一志望合格おめでとうございます！なんか自分のことみたいにホッとしてますw (2020年2月8日 13時) (レス) id: 5d19971940 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - きららさん» コメントありがとうございます！そうなんですごめんなさい！！暖かなご声援ありがとうございますっ！！頑張ります！！ありがとうございました！！ (2020年1月1日 14時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2019年8月16日 13時
