第226話 音速の拳 ページ47
「「───っ、」」
会場は一瞬、静寂に包まれた。
ストッと美麻が地面に降り立つ音が異様に響く。
……目金だけが、震え声で呟いた。
「まるで、闇をも切り裂く様な音速の拳……。
──
その瞬間、待ってましたと言わんばかりの大歓声。
その盛り上がりはスタジアムを包み込み、地を震わせた。
美麻はほうっと息を吐いて、
──穏やかに、笑った。
「ナイスシュート」
『！』
聞こえてきた声に振り返る。
しかし彼は、30メートル程遠くにいた。
本当に小さな声で呟いた、彼の隣にいても聞こえないのではないかというくらいのその言葉。
美麻は少しだけ口元を緩め、静かに頷いた。
『ナイスパス、──明王』
試合終了のホイッスルが遠くで鳴った。
FFI世界大会初戦、イギリス代表ナイツオブクイーン対日本代表イナズマジャパンは、日本の勝利で、幕を閉じた。
「円堂さん！新必殺技の誕生、おめでとうございます！」
「ああ！俺だけの必殺技……っ、遂にやったぜ！」
試合終了後、立向居はすぐ円堂に話しかけた。
ガッツポーズをしている円堂に、輝く瞳で畳み掛ける。
「あの瞬間感動しました！俺も頑張ります！」
「その意気だ！」
立向居の肩にポンと手を置き、更衣室に入っていく円堂。
その背中を、憧れの表情で見つめる。
「そういえば、立向居は自分の技じゃなくて、キャプテンの技の真似だよね〜」
「！っ、」
「ウッシッシッシッシ！」
曲がり角で、木暮が顔を覗かせていた。
いつもの笑い方で立向居をからかい、踵を返して曲がり角の先に消えた。
……そう、立向居の視界から消えたのは事実だ。だが、
「う、うわぁ！」
振り返った木暮の目の前に、美麻が仁王立ちしていた。
無表情の彼女はどことなく怖いので、悪戯をしてこなかった木暮。
それが、まるで雪山の様に冷ややかな表情で、木暮を睨み付けている。
『……勇気をからかって、楽しかった？夕弥？』
「ひぃぃっ…！」
慌てて逃げ出した木暮。
美麻はその後を追いかけるなんて無粋な真似はせず、更衣室の扉を眺めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目金曰く、「闇をも切り裂く音速の拳」。術者が上空に飛び上がると、ボールと術者を絶対零度の冷気が纏う。凍りついたボールを両足で踵落としする。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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Vermut(プロフ) - みかんさん» 此方こそありがとうございます！更新頑張ります！！ (2019年7月17日 16時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
みかん - すみませんありがとうございますこれからも頑張ってください応援してます (2019年7月17日 10時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - みかんさん» ふおおっ……分かりました。メインでは出せないと思いますが、ご了承下さい！ (2019年7月17日 6時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
みかん - あと先輩に対しては敬語を使う可愛い後輩という感じで (2019年7月17日 4時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - クールな感じで実は照れ屋さんで鬼道たちより年下で主人公の友達で鬼道に片思いしてる感じでお願いしますサッカーは経験者ですみませんなんか多くて更新頑張ってください (2019年7月17日 4時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Vermut | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2019年4月26日 17時
