第5話 きっと ページ8
『…んー……』
ただ今、午前6時。
時間の流れとは早いもので、一昨日、昨日と調べていたらもう選考試合の日になってしまったのだ。
『……行ってきます』
振り返ることもなく呟いて、誰もいない家を出た。
「…あ、Aさーん！」
『……春奈ちゃん。おはよ』
「おはようございます！」
そばにあったベンチに座り、携帯を手に取って短い間に更新。
これからは中々出来なくなるんだ、今のうちに下書きだけでも仕上げておかないと。
私がついた頃には、もう既に全員が集まっていた。
円陣を組む両チームの声を聞きながら、私は響木さんの元へ行く。
『響木さん、私は何をすれば良いんでしょうか？』
「ん？ああ、このノートに選手の長所や短所を書き出していってくれ」
『承知しました』
至って普通の大学ノートだ。
取り敢えず余白に選手達の名前を書いておいた。
「よし、試合開始だ!!」
「「はい!!」」
選手達はフィールドへ駆け出す。
私はノートを開き、ずり落ちた眼鏡を引き上げた。
秋side
「ファイアトルネード改に、真・ゴッドハンドです！」
「みんなの技は、まだまだ進化しているという事ですね！」
「うん！」
目金君の言葉に頷き、フィールドを見つめる。
みんな本当に進化してる。
スピードもパワーも、桁違いだ。
「ね、美麻さんも……!!」
話しかけようとして、驚く。
『(ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ』
何故ならそこには、フィールドを見つめたまま凄い勢いでシャーペンを走らせる、美麻さんの姿があったからだ。
書いているノートをのぞいて見ると、「数十メートル飛び上がり、紅の炎を纏った彼は叫ぶ。『ファイアトルネード改!!!!』この技は惜しくも決まらなかったが、まだまだ改善の余地はあるようだ」等々、まるで物語のように書かれていた。
彼女がかけている眼鏡がｷﾗﾘと光る。
……そっか、携帯小説家なんだっけ。
でも、それだけじゃなく、その勢いからは"サッカーが好き"という想いも伝わってくる。
この子も、きっとサッカー大好きなんだろうな。
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杳覇(プロフ) - 鈴苺 （ﾚｲﾒｲ）さん» コメントありがとうございます！ うきゃーありがとうございます！！嬉しいです(〃ω〃)更新頑張ります！！ (2020年3月5日 13時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
鈴苺 （ﾚｲﾒｲ）(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！ (2020年3月5日 12時) (レス) id: 8922abe964 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - きららさん» うぎゃああホントだ！ごめんなさいすみません！！すぐ直します！！ ありがとうございます(T ^ T) (2020年2月27日 21時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - 杳覇さん» 第13話の「奇数な為、」という所からの行です。これからも頑張ってください！ (2020年2月27日 21時) (レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - きららさん» きらら様！ご教授ありがとうございます。すみません…！！もし宜しければ、何話か教えて頂けませんか…？ (2020年2月27日 20時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Vermut x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2018年5月22日 15時
