第11話 嘘つき ページ14
「あれ？虎丸君は？」
木野さんの声に顔を上げる。
まあ、あの子はあの子なりの事情があった。
そして、まさか小学生とは思ってなかった…
と、
「あ、来ましたよ！」
「円堂さぁぁん!!ﾊｧｯﾊｧｯ」
「虎丸！」
噂をすればなんとやら…ね。
見れば、宇都宮が息を切らして走ってくるではないか。
「虎丸、おはよ！」
「…お…おはようございます!!す…すみません……なんか信号という信号が、全部赤信号で…ｯﾊｧｯﾊｧ」
宇都宮は、どうやらとても運が悪い様だ。
「だーからそんなに無理して通わなくても、ここに泊まればいいのに」
「ここのご飯、すっごく美味しいんスよ！」
緑川と壁山がやって来る。
…壁山、私は突っ込まない。聞かなかったことにするわ。
「え…あ……でも俺、自分の部屋でないと眠れないもので……」
「え、そうなのか？」
「はい…」
顔を赤らめ、恥ずかしそうに頭を掻く宇都宮。
嘘つき。
本当は、母親の看護と店の手伝いがある癖に。
「ﾌﾝｯ、大方、ママに子守唄でも歌って貰ってるんじゃねえのか？」
『……』
「あいつ…」
そんな宇都宮を鼻で笑い、嫌味を言う不動。
宇都宮の事、知りもしない癖に…
「気にすんな！あんなの言わせときゃあ良いんだよ」
「…はい…」
綱海に励まされても、宇都宮は落ち込んでいる。
そんな彼に、私は静かに近付いた。
『…大丈夫。私は宇都宮の事情の事、知ってるよ』
「!!…はいっ！」
宇都宮の耳元で、そっと言ってやる。
宇都宮は漸く笑顔になった。
「…あ、あの……美麻さん」
『？』
そのまま離れようとしたら、宇都宮に呼び止められた。
が、当の本人はもじもじしている。
「あの…俺の事、虎丸って呼んでもらえませんか？」
『？別に良いよ、虎丸』
「(ﾊﾟｱｧ ありがとうございます！」
なんだそんなことか。
虎丸は明るく笑って、ぺこりと頭を下げ、準備体操に向かって行った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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杳覇(プロフ) - 鈴苺 （ﾚｲﾒｲ）さん» コメントありがとうございます！ うきゃーありがとうございます！！嬉しいです(〃ω〃)更新頑張ります！！ (2020年3月5日 13時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
鈴苺 （ﾚｲﾒｲ）(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！ (2020年3月5日 12時) (レス) id: 8922abe964 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - きららさん» うぎゃああホントだ！ごめんなさいすみません！！すぐ直します！！ ありがとうございます(T ^ T) (2020年2月27日 21時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - 杳覇さん» 第13話の「奇数な為、」という所からの行です。これからも頑張ってください！ (2020年2月27日 21時) (レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - きららさん» きらら様！ご教授ありがとうございます。すみません…！！もし宜しければ、何話か教えて頂けませんか…？ (2020年2月27日 20時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Vermut x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2018年5月22日 15時
