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おでかけ とおくから ページ49

「うん!よ、よろしく」


ぴょこっとかわいらしい効果音がつきそうなお辞儀をする少女を遠目から眺める。彼女が丸山Aちゃんね、思っていたよりもどこか気が抜けていてそれでほっとけない感じがする。

そんな風に観察をしていると、彼女がこちらを見ていた。動揺を隠しながら、不自然じゃないようにするりと視線を逸らした。


「あ、哀ちゃんもこっち来なよー!」


突然、吉田さんからそう声をかけられて、びくりと肩を揺らしてしまう。これじゃあ、動揺してるのがばればれだわ、と思ってくるりと背中をむける。吉田さんには申し訳ないけど…と思いながら顔をおおう。


「どうかしたか、灰原」

「いえ、別に」


何事もなかったかのように、にこりと笑みをうかべる。急に現れた江戸川君は訝しげに眉を寄せてこちらを見る。それから、まだ何か話している奥の三人と彼女の様子とこちらを交互に眺め始める。さすが探偵といったところだろう、息をついているとにまりと楽しそうに笑う彼と目が合う。


「あの子のことだろ?」

「さすがね、名探偵さん」

「疑ってんのか?」


きょとんと問いかけてくる彼にまたもやため息をこぼしそうになるのをこらえて、こくりとうなずいた。疑わないほうが逆に不自然だ。

あのバーボンである男…とも仲がよいらしく、そして幼い。気になるのはその点だ。あの組織の薬でも飲まされたのか、はたまた自分から飲んだのだろうか。ただし、これらはすべて推測でしかないのだけれど。

頭を抱え始めた私を見かねてか、ぼそりと江戸川君は声をもらした。


「んなことはねーと思うんだけどな」

「あら、何か証拠があって?」

「しょ、証拠はねぇけど」


けど、と濁らせる彼の言葉の先を促す。ちょっと考えたあと、待ってろよと言葉を残して彼は駆け出していく。後ろ姿を眺めながら、ぼんやりと立ち尽くす。

彼が何か話している、と思ったとき彼女の声が響いた。


「わたし、だれとでも
 仲良くできるから!」


ぱあっと花が咲くような笑顔を浮かべて、自信満々といったように彼女がいい放った。それに江戸川君は面白そうに笑う。そしてこちらに向き直っては大きな声を張り上げた。


「だってよ、灰原ぁ」

「…そうね」


聞き取れないくらいの大きさで声をもらした。自然に頬が緩んでいくのがわかる。江戸川君のいいたいことが少しはわかった気がして私は満足げに微笑んだ。

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- ツインテールロリ...夢が膨らみますよね。二次元でも三次元でもいいですツインテールロリは素晴らしい。が膨らみますよね。 (2020年4月17日 23時) (レス) id: d1cc51c7c0 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 幼女っていうか、うん、幼女だね。背が(´;ω;`) (2019年8月20日 20時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - はなはなさん» ご指摘ありがとうございます!花の知識が曖昧で間違えてました…お恥ずかしい… (2019年5月20日 20時) (レス) id: d685bda1b2 (このIDを非表示/違反報告)
はなはな - おはな よん 、お花の名前はミラムスではなく、ミムラスですよ (2019年5月20日 20時) (レス) id: 8b40cac6e3 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - ラムさんさん» そう言ってもらえて光栄です。のんびりですが、頑張って更新していきますので、長い目でお付き合いください! (2019年5月15日 22時) (レス) id: d685bda1b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えだまめ | 作成日時:2019年5月4日 23時

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