【名探偵コナン】幼女になって読む話。

おはな　ご ページ34

「みむ、らす…」


口のなかでちいさくくりかえす。はなことばは、えがおになって…これはぴったりだ。にこにこしておにいさんをみあげた。


「ほんとにもらっていいの？」

「はい、勿論」


それからおにいさんは、あっとなにかを思い出したようにこえをあげる。

そして、わたしにそうっとちいさなこえで、おねがいがあります。という。こんなにやさしいおにいさんのおねがいを聞けないわけがないので、わたしはこくこくとうなずく。おにいさんはまんぞくそうにわらうとわたしにいう。


「これを私から譲ってもらったと
　彼には決して言わないでください」

「…なんで？」

「ううん、そうですね…」


そういっておにいさんは顔をしかめる。


「君からのプレゼントといった方が
　彼も喜ぶ、からですかね」

「そうかなぁ、でも…わかった！」


りょうかいっと手をぐーにしてさしだすと、おにいさんも手をぐーにしてこつんとわたしの手にあてた。

それから、おにいさんはうえきばちをかわいいふくろに入れてくれる。ちょっとおもいけど、だいじょうぶそう。


「おにいさん、ありがとう！
　あのね、それで…おにいさんの
　おなまえ聞いてもいい？」

「ええ、冲矢昴といいます
　貴女の名前をうかがっても？」

「わたしはまるやまA！」


にいっとわらうと、おきやおにいさんはぽかりと口を開けた。それからすこしぼうっとしてしまうが、どうにかもどってくる。


「A、素敵な名前ですね」


おきやおにいさん、ちょっと顔ひきつってるよ。とは言えず、わたしは手を振っていえにかえった。

おはな　けいかほうこく→←おはな　よん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す