【名探偵コナン】幼女になって読む話。

おはな　いち ページ30

「…おはなかぁ」


かざみさんの言葉が頭のなかにこだまする。いいなとは思ったけど、よくよく考えてみればあむろおにいさんの好きなおはななんて知らないしどうしよう。

ううんとうなって、へやをぐるりと見回す。

おかあさんもいないし、おとうさんも買い物でいないし、わたしはとりあえず近くのこうえんにでかけることにした。何かかわいいおはながみつかるかもしれないと思って。



こうえんにはだれもいない。かぜがつよいせいかもしれないな、と思いながらぱちぱちと何回も目をまたたかせる。

春だから、たんぽぽやオオイヌノフグリ、すみれなどの小さなおはながさいている。でも、これじゃない。


どうしよう、と空をみあげたとき
ぶわっとかぜがつよく吹いた。


「…っわ」

「大丈夫ですか？」


ぐらっとゆれたわたしのからだを、だれかがささえてくれる。ぱち、と目を開けるとめがねをかけたやさしそうなおとこの人がいた。じいっとみつめられて、うまくしゃべれない。


「あっ…ありがとう」

「気をつけてくださいね」


ぽんっとおかれた頭の手に、くすぐったくてわらいごえがもれた。すると、めがねの人もつられたようにふわりとえがおをうかべる。


それから、すこし考えるようにわたしにはなしかける。


「あの、何か探しものでも？」

おはな　に→←おひるごはん　よん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す