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Side of You
『っ…、い、いいよ！Aちゃん！！』
「へ……」
『あの時、俺もタイミング悪かったし。
その…まだ、分かんないよね、ごめん』
どう伝えたらいいのか、何を言えばいいのか
色々悩みながら言葉をいくつか飲み込んでいると
優斗くんが慌ててまた自転車を押し始める。
笑いながら言ってるけど無理矢理作ってるのは
丸わかりなくらい。
それに手だって少し震えてる。
優斗くんだって、勇気出して伝えてくれたのに
こんなの甘えすぎてる。
「っ、……好きです！！」
少し前に居た優斗くんに
背中からぎゅうっと抱きついて
やっとの思いで伝えられたのはたったこれだけ。
彼の背中に回していた腕が震える。
うるさい鼓動は、きっと優斗くんにも伝わってる。
伝えたもののどうしようと考えていると
いきなり私の方にバッ、と振り向かれた。
「ゆ、優斗く…っ」
『ほ、ほんとに…？』
「え…」
『ほんとに？夢とかじゃない？』
手を離してしまったせいで
ガードレールに自転車がぶつかる。
慌ててそれをきちんと起こすと
私の両肩に手を置いて顔を真っ赤にした
優斗くんにまっすぐ見つめられて。
こくん、とそれに対して頷くと
何度かその大きな目をぱちぱち瞬きさせた。
段々緩んでいく彼の口元を
ただ目線で追っていると真っ暗になる視界。
「っ…？！」
『やっば………どうしよ、めっちゃ嬉しい』
優斗くんに抱きしめられてるって
頭が理解したのは彼の制汗剤の香りが
鼻をくすぐった時だった。
照れたような、でも今まで聞いたことないような
柔らかい声で彼がそっと呟く。
喜んでくれたって思うと、素直に嬉しかった。
ぎこちなく、私も背中に再び手を回してみると
一瞬優斗くんの身体が強ばる。
けど、すぐにその力は抜けて
代わりにへへ、っと嬉しそうに
弾んだ笑い声が聞こえた。
『俺の』
「うん」
『……俺の、彼女になってください』
「ふふ、……………はい」
気付いたら、梅雨の季節はとっくに過ぎていて
夏の足音が聞こえ始めてる、そんな日だった。
ただ純粋に、優斗くんのことが好き。
それだけで充分だと思っていたはずで
私にはそれだけが特別な感情だと思っていたのに。
そんな単純なもので、全ては出来ていないらしい。
大切な人ほど傷つけてしまうなんて
そんなことひとつも思っていなかった。
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はび - いつもドキドキしながら読ませてもらってます！！(T ^ T)応援しています！頑張ってくださいっ ！！ (2018年6月22日 23時) (
レス) id: 1a6434a690 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - ドキドキしながら読んでます(；＿；)これからも応援してます！ (2018年6月18日 23時) (レス) id: e8d9010515 (このIDを非表示/違反報告)
moema(プロフ) - いつもキュンキュンしながら見てます！これからも頑張ってください！ (2018年5月6日 0時) (レス) id: 43f5e476de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むう
| 作成日時：2018年4月25日 22時
