08*Luv ページ10
Aとフィンクスが戦闘を始めて早3分。
一向にフィンクスの攻撃をAは受けようとしない。
全て流している。
「当たらなーい、当たらなーい……当たらない」
「おい! まともにやれよ!」
「じゃあ、執行まで残り10秒」
きゅう、はち、なな、ろく、ご……。
そうカウントダウンを始めるA。
その顔は笑顔だった。
「ゼロ」
「くっ……!?」
急にフィンクスとの距離を縮めたA。
フィンクスの頬を両手で抑え、目を合わせる。
その瞳は、勿論……魔瞳。
すると、フィンクスの力が抜けその場に膝をついた。
「“絶対的服従-ドールズ・ブレイカー-”……」
「身体が動かねぇ」
「私の勝ち。勝負あり」
「これは……操作系?」
「シャルさん正解」
Aが「解除」と言うと、フィンクスは前のめりになって倒れた。
「もう一回だ!」
「じゃあ、魔瞳は使わない。そのままでやるよ」
「っし」
2回戦を始めて1分。
圧倒しているのはA。
パワーはフィンクスが上だが、Aはそれを速さで上回る。
「シルア、お前また何か使って――」
「ないよ。瞳だってそのままだし。失敬だなあ」
「チッ……クソッ」
一方、クロロはAの変化に気付き始めていた。
「爪……それに、さっきよりも速い?」
「念を使ってるにしても強化系っぽいよね」
「……笑ってるね、アイツ」
フェイタンが指差す先には妖しげに笑い、フィンクスの攻撃を受け流す、Aの姿があった。
クロロの言う通り、先程より爪が鋭く伸び、動きも機敏になっている。
「特に使えないんだよね、これ。戦闘で使えるとしたら、“Drei”ぐらいかな?」
「?」
「気にしないでね。大きな独り言だから」
「じゃあ言うなよ。気になるだろーが」
「確かに。じゃあ、Drei!」
Aがそう言うと、一気にオーラの量が跳ね上がったのを団員たちは感じた。
「んー、この能力匙加減がよく分からないね、フィンさん」
フィンクスの目の前には普段の自分と同じ様に肩を回すA。
「ん、2回……3回かな」とそう言うと渾身の力を込めて、Aはフィンクスに一発入れた。
「かはっ」
「げ……ホント使いにくい。当人でも使いにくそうなんだから私に使えるわけもないか」
壁に打ち付けられ咳をするフィンクス。
Aはクロロの目の前に立って笑顔で言う。
「特質系、“名も無いアイの殺戮兵器-スリーシックス・ラヴ-”」
(不吉な数字だな)
(私は好き)
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久遠深ヶ - 水晶さん» ありがとうございます。評価のことは気にしません。逆に創作意欲を煽られた感じですね(笑) 主人公ちゃん、何か不思議ですよね。自分でも思いますw タメで話すけど、やっぱり敬語が抜けきらなくて……。これからも頑張りますので宜しく御願いします。 (2015年11月18日 23時) (レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 初めまして。とても面白いです。低評価はきっと悪戯のようなものなので気にせずに更新頑張ってください。とても読みやすく、夢主のキャラも個性的でとってもいい小説だと思います。 (2015年11月18日 22時) (レス) id: 6f1547238d (このIDを非表示/違反報告)
久遠深ヶ - 餅兎さん» ありがとうございます。此処に来れなかった数ヶ月の間に燻っていたものが色々爆発しまして、今作に至ります(笑) ルーン文字の原案はあのルーン文字で合ってます。私が歴史を好きなものですから……。コメントありがとうございます。これからも宜しく御願いします。 (2015年11月14日 22時) (レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 新作おめでとうございます。今作の主人公ちゃんも不思議な雰囲気を持っていますね(*^^*) 久遠深ヶ様が執筆されるキャラは魅力的で憧れます。ルーン文字ってあのルーン文字でしょうか? 神秘的で素敵ですよね!。その辺のセンスの良さにも脱帽です笑 更新待ってますね。 (2015年11月14日 15時) (レス) id: 86d4d39a52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久遠深ヶ | 作成日時:2015年11月12日 15時