07*Match ページ9
“人前では寝るな”と、言われたっけな。
寝るな、と言われたから寝ないようにずっと医学書やら何やら読み続けた時もあった。
水が流れ込む泉に顔をつけたり、浴びたり、無理矢理起こさせてたことも。
癖だ。
昔から染み付いた癖。
直す必要性も無いだろうし。
まあ……落ち着いたら。慣れたらきっと寝れるようになる。
「あれ、いつもと味付け違う……」
「今日はシルアちゃんに手伝ってもらったのよ」
「口に合わないかな、マチさん」
「いや、美味しいよ」
「なら良かった」
幽閉されていた私の手元にも、ルーン族の書物はあった。
郷土料理的なものの料理本とか、歴史とかもあったかな。
街に出てからは普通の料理とかも知った。
失敗することが最初は多かったけど、案外料理は楽しかった。
「外の世界は知らないものが溢れていて……すごく楽しい」
「シルアは村を出てどれくらいになるんだ?」
「7年になります」
7年と聞いたノブナガさんは遠くを見るように「7年……か」と呟いた。
「でも、お金や身の回りのものに困ることは一切無かったよ。暗殺や情報屋で稼ぎあったし」
「お得意のナイフか?」
「確かにナイフが主流だね。早く終わらせなきゃいけない仕事は念を使うけど」
「シルア、お前の念にはどれぐらいの種類があるんだ?」
「5個……ぐらいかな。よく覚えてないや」
「“覚えていない”?」
「うん……怒ったり、感情があまりにも昂ると出てきちゃうのがあるんだけど、
自分でもしっかりと把握出来てないのが事実」
嘘じゃない。
気付いたら何もかもが終わってしまった後。
そういうことが何回かあった。
血塗れた手を見れば、自分がやったということは一目瞭然だった。
……自分が、怖くなるときがある。
「でも、此処最近はないから多分平気」
「そうか」
何が平気なんだか、よく分かんないけど。
危害は加えない。
その平気か。
私は平気。
この平気か。
前者の方が話が通るのか。
「何方か手合わせしませんか? 手練れの方と手合わせするの久し振りなので」
「お前、死ぬよ?」
「それならそれで構いませんよ、フェイさん」
「……好きにするよ」
「シルア、俺と手合わせしようぜ」
「では、宜しく御願いします。フィンさん。御手柔らかに」
「おう!」
(殺しは生活の一部か?)
(殺らないと生きていけないからね。楽しんでる自分もいるけど)
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久遠深ヶ - 水晶さん» ありがとうございます。評価のことは気にしません。逆に創作意欲を煽られた感じですね(笑) 主人公ちゃん、何か不思議ですよね。自分でも思いますw タメで話すけど、やっぱり敬語が抜けきらなくて……。これからも頑張りますので宜しく御願いします。 (2015年11月18日 23時) (
レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 初めまして。とても面白いです。低評価はきっと悪戯のようなものなので気にせずに更新頑張ってください。とても読みやすく、夢主のキャラも個性的でとってもいい小説だと思います。 (2015年11月18日 22時) (レス) id: 6f1547238d (このIDを非表示/違反報告)
久遠深ヶ - 餅兎さん» ありがとうございます。此処に来れなかった数ヶ月の間に燻っていたものが色々爆発しまして、今作に至ります(笑) ルーン文字の原案はあのルーン文字で合ってます。私が歴史を好きなものですから……。コメントありがとうございます。これからも宜しく御願いします。 (2015年11月14日 22時) (レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 新作おめでとうございます。今作の主人公ちゃんも不思議な雰囲気を持っていますね(*^^*) 久遠深ヶ様が執筆されるキャラは魅力的で憧れます。ルーン文字ってあのルーン文字でしょうか？ 神秘的で素敵ですよね！。その辺のセンスの良さにも脱帽です笑 更新待ってますね。 (2015年11月14日 15時) (レス) id: 86d4d39a52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久遠深ヶ | 作成日時：2015年11月12日 15時
