05*Beginning ページ7
団長さんに案内されて廃墟の奥に行くと、団員の方々がいた。
明らかに常人じゃないのが分かった……。
「情報屋のAだ」
「A=ルーン・ヴァナヘルツです。シルアと呼んで下さい」
「シルアはルーン族の生き残りだそうだ」
「否、生き残りです。確定してるよ、団長さん」
団長さんを見上げてそう言うと、彼は私の方を見て笑う。
「皆の前で見せてもらおうと思ってな」と。
「悪趣味な笑顔……」
「ふっ……」
「まあ、いいや。ルーンの瞳は月の欠片。言い伝えでそう表される瞳です。
本当は魔瞳って言うんだけど……」
瞬きをすれば私の瞳はたちまち魔瞳に。
意図的に魔瞳にすることなんて、小さな頃から教え込まれた初歩中の初歩だ。
血が煮えたぎるような熱さが身体を巡る。
「私はルーン族。これで証明されたよね?」
「……お前は純血か?」
低身長の黒髪の男性がそう言う。
そういえばまだ“視”ていない。
「純血だよ。一族の中では一番高貴な家系だったんだから」
「……そか」
何か無愛想。
名は……。
「フェイタンさん……」
「何でワタシの名前分かたか」
「これも私の念の許容範囲内」
「団長、コイツ気に入らないよ」
「んー……」
フェイタンさん。
見る限り、旅団の中では相当強い部類に入る。
速さなら恐らく一番。
「自己紹介は無用です。全部“視”ちゃうので」
「“卓越者の拡大鏡-シュピーゲル・オブ・ブリジット-”、だっけ?」
「あ、はい。というかバラさないで下さいよー」
「でも、欠点少ないよね。全部バレると分かったところでどうにもできないし」
「それはそうですけど……」
私が言葉を詰まらせた時、上の方から声が聞こえた。
「特質系、か……君には興味があるよ♥」
「!?」
全く気配を感じなかった。
否、意図的に。
意図的に私に感付かれない様に絶をしていた。
「変化系、ヒソカさん……。胡散臭いね、貴方」
「それはどうも♣」
「……私、あの人苦手だよ」
「Aだっけ? アイツには気を付けな」
「マチさんですね。ご忠告感謝します」
ヒソカさんからは酷く濃い、血の臭いがする。
戦闘狂、が妥当か。
「今日からシルアは旅団の一員になる。空きは無い……よって0とカウントする」
「え……」
「預かりというのは惜しいと思ったんだ。これから宜しく頼む、A」
「はい、クロロさん!」
(誕生日の思い出とかあるか?)
(誕生日プレゼントって何?)
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久遠深ヶ - 水晶さん» ありがとうございます。評価のことは気にしません。逆に創作意欲を煽られた感じですね(笑) 主人公ちゃん、何か不思議ですよね。自分でも思いますw タメで話すけど、やっぱり敬語が抜けきらなくて……。これからも頑張りますので宜しく御願いします。 (2015年11月18日 23時) (レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 初めまして。とても面白いです。低評価はきっと悪戯のようなものなので気にせずに更新頑張ってください。とても読みやすく、夢主のキャラも個性的でとってもいい小説だと思います。 (2015年11月18日 22時) (レス) id: 6f1547238d (このIDを非表示/違反報告)
久遠深ヶ - 餅兎さん» ありがとうございます。此処に来れなかった数ヶ月の間に燻っていたものが色々爆発しまして、今作に至ります(笑) ルーン文字の原案はあのルーン文字で合ってます。私が歴史を好きなものですから……。コメントありがとうございます。これからも宜しく御願いします。 (2015年11月14日 22時) (レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 新作おめでとうございます。今作の主人公ちゃんも不思議な雰囲気を持っていますね(*^^*) 久遠深ヶ様が執筆されるキャラは魅力的で憧れます。ルーン文字ってあのルーン文字でしょうか? 神秘的で素敵ですよね!。その辺のセンスの良さにも脱帽です笑 更新待ってますね。 (2015年11月14日 15時) (レス) id: 86d4d39a52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久遠深ヶ | 作成日時:2015年11月12日 15時