21*Through ページ23
銀白色の刀身は血で染まり、頬に返り血が付いていた。
皮膚が切り裂け、血が溢れるよりもAの動きが速かったために、
Aには殆ど返り血は付かなかった。
「疲れた……」
大鎌を投げ出し、膝をつくと再び男の声が聞こえた。
“奥に進め。そして指示を待て”
「あぁ……うん……」
ローブを羽織り、口布を取り付けるとAは奥の道へと歩き出した。
最初の扉よりは小さな扉。
思い切って開けると、見慣れた顔が揃っていた。
「はあ!? A!?」
「……突然で悪いけどさ、3分ぐらい近付かないで貰えるかな。
気が立ってて手出しかねない……」
「あぁ、分かった」
「落ち着いたら、話すから……」
興奮が収まらない。
魔瞳が治らない……。
「ふぅ……」
体の熱が抜けていく。
悪い癖。
本気になると、過剰になりすぎるとこ……。
「ごめん、キルア。ありがとう」
「別に。平気かよ」
「この通り」
「クラピカ、レオリオ、この人がシルアだよ」
「A=ヴァナヘルツです。キルアとは長い付き合いで、ゴンとはさっき知り合いました」
クラピカとかいう人は警戒心が強い。
レオリオとかいう人は何故か鼻の下を伸ばしている。
奥で興味無さそうにしているおじさんは情報を視る価値もない……。
「信用しなくて良いですよ。私もライバルです。そのうち、脅威と成りうる存在ですし」
「貴様……」
クラピカさんは恐らくクルタ族。
服装に見覚えがある。
目に特徴を持つ一族としては近しい存在だ。
「にしても、どうして此処に?」
「話すと長くなるんだけどさ、まあ……賭けで負けた分を時間で払ってるって訳」
「あー、そう。成る程ね」
「お前は?」
「囚人100人相手に、まあ……ちょっと」
「!?」
殺しの技術を持ち合わせていることはあまり公言するようなものでもない。
逆に警戒心を煽ってしまう……。
“406番、後30分したら黒い扉から出ろ”
「……ただの通過地点、ってだけか」
「シルア、また後で会おうね!」
「会えたらね。無事に出られる保証はないわけだし」
「大丈夫だよ、きっと!」
(やりずらい……)
(だろうな)
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久遠深ヶ - 水晶さん» ありがとうございます。評価のことは気にしません。逆に創作意欲を煽られた感じですね(笑) 主人公ちゃん、何か不思議ですよね。自分でも思いますw タメで話すけど、やっぱり敬語が抜けきらなくて……。これからも頑張りますので宜しく御願いします。 (2015年11月18日 23時) (レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 初めまして。とても面白いです。低評価はきっと悪戯のようなものなので気にせずに更新頑張ってください。とても読みやすく、夢主のキャラも個性的でとってもいい小説だと思います。 (2015年11月18日 22時) (レス) id: 6f1547238d (このIDを非表示/違反報告)
久遠深ヶ - 餅兎さん» ありがとうございます。此処に来れなかった数ヶ月の間に燻っていたものが色々爆発しまして、今作に至ります(笑) ルーン文字の原案はあのルーン文字で合ってます。私が歴史を好きなものですから……。コメントありがとうございます。これからも宜しく御願いします。 (2015年11月14日 22時) (レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 新作おめでとうございます。今作の主人公ちゃんも不思議な雰囲気を持っていますね(*^^*) 久遠深ヶ様が執筆されるキャラは魅力的で憧れます。ルーン文字ってあのルーン文字でしょうか? 神秘的で素敵ですよね!。その辺のセンスの良さにも脱帽です笑 更新待ってますね。 (2015年11月14日 15時) (レス) id: 86d4d39a52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久遠深ヶ | 作成日時:2015年11月12日 15時