12*Glad ページ14
「アイツの……お父様の、目だ」
今になっては胸糞悪い思い出でしかない、父親の魔瞳。
アンリエル=ソアン・ヴァナヘルツ……。
父、アンリエルの目は虹彩異色。
右が夜更けの様な紫、左が猩々の様な深紅の瞳。
魔瞳になれば全体的に少し赤みを帯びた虹色の目。
私の知っている限り、この目の色をした人間はアイツしかいなかった。
「無様だね。7年ぶりの再会がこんなところだとは思わなかったよ」
答えが返ってくるはずもない。
本と魔瞳を大切に仕舞い込むと、すぐにその場を離れ、クロロさんに電話を繋いだ。
「こちらA。本と魔瞳、無事に回収し終えました」
“そうか。周りに気を付けてホームに戻って来い”
「了解」
いつかは、私もきっと死ぬ。
その時、静かに私は死ねるのだろうか。
目を抉り盗られるのがオチな気がする……。
「……夢に出て来なきゃいいけど」
祟って出て来そう。
いやいや、考えるのは止めておこう。
気にするから出て来るんだよね、うん。
ホームに着くとパクさんが待っていてくれた。
「お疲れ様、シルアちゃん。怪我は……無さそうね」
「お陰様で。クロロさんは……?」
「奥で待っているわ。行きましょう」
「はい!」
硝子越しに見つめる魔瞳は、確かにこの世のものではないように見える。
アンリエルの魔瞳だから尚更かもしれない。
「こっちが本で、これがルーン族の魔瞳」
「何か……あったんじゃないか?」
「え?」
「出る前より思い詰めた様な顔をしている」
この人、やっぱりすごいかもしれない。
人間観察に長けてる。
「その……この魔瞳、多分だけど父親のものかもしれない」
「!?」
私がそう告げるとクロロさんは驚いた顔をして私を見た。
「この魔瞳は赤みを帯びた虹色。私の知っている限り、この色の瞳は父親しかいない」
「シルア、父親の名前は?」
「アンリエル=ソアン・ヴァナヘルツ。銀白色の髪に紫と紅の目を持つ暗殺者」
「……気分が悪いか?」
「否、逆に清々しいかもしれない。嫌いで仕方なかった奴が滑稽なカタチで残ってるんだから」
“嬉しいよ”
そう言ったAは気味が悪いほどに笑顔だった。
天使の姿を装った、死神。
(念能力の説明、まとめような)
(その内、その内まとめるからベンズナイフ構えないで、クロロさん)
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久遠深ヶ - 水晶さん» ありがとうございます。評価のことは気にしません。逆に創作意欲を煽られた感じですね(笑) 主人公ちゃん、何か不思議ですよね。自分でも思いますw タメで話すけど、やっぱり敬語が抜けきらなくて……。これからも頑張りますので宜しく御願いします。 (2015年11月18日 23時) (
レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 初めまして。とても面白いです。低評価はきっと悪戯のようなものなので気にせずに更新頑張ってください。とても読みやすく、夢主のキャラも個性的でとってもいい小説だと思います。 (2015年11月18日 22時) (レス) id: 6f1547238d (このIDを非表示/違反報告)
久遠深ヶ - 餅兎さん» ありがとうございます。此処に来れなかった数ヶ月の間に燻っていたものが色々爆発しまして、今作に至ります(笑) ルーン文字の原案はあのルーン文字で合ってます。私が歴史を好きなものですから……。コメントありがとうございます。これからも宜しく御願いします。 (2015年11月14日 22時) (レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 新作おめでとうございます。今作の主人公ちゃんも不思議な雰囲気を持っていますね(*^^*) 久遠深ヶ様が執筆されるキャラは魅力的で憧れます。ルーン文字ってあのルーン文字でしょうか？ 神秘的で素敵ですよね！。その辺のセンスの良さにも脱帽です笑 更新待ってますね。 (2015年11月14日 15時) (レス) id: 86d4d39a52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久遠深ヶ | 作成日時：2015年11月12日 15時
