09*Third ページ11
“名も無いアイの殺戮兵器-スリーシックス・ラヴ-”
私、A=ルーン・ヴァナヘルツ本来の特質系念能力。
特に使えない能力だと自分は思ってる。
フィンさんに使ったのは“Drei”という能力。
能力模倣能力と言うのが一番分かりやすいと思う。
模倣するには3つの条件がある。
その1、相手の名前を知る。
その2、能力を知る(見聞きする)。
その3、相手に直接触れる。
でも、使った後は酷く疲れる。
肉体強化が起こるから、強化系念能力者に間違われやすい能力だ。
「不吉な愛だな」
「うん。でも、私は好き……」
Aはそう言うと、力が抜けたように地面にへたり込んだ。
「あはは……やっぱり使いにくいなあ。でも、Zweiよりはマシか」
「体力の過剰消費が代償か」
「発動条件はそんなに難しくないからね」
「立てるか?」
「ん、ちょっと無理かも……。手を貸してもらえると助かります」
Aが手を伸ばすと、その手をしっかりとクロロが握り、立ち上がらせた。
砂埃を少し払うと、未だに蹲っているフィンクスに近付き、しゃがみこんだ。
「すみません。加減があまり分からなくて。まあ、動揺して堅が解けたのも痛いところだよね」
「何なんだよ……その能力」
「一言で言うと、意味が分からない能力です。
正しくは“名も無いアイの殺戮兵器-スリーシックス・ラヴ-”だけど。
フィンさんに使ったのは“Drei”という念の模倣能力です」
「団長とそっくりじゃねぇか」
「“3番目”はね。1と2はまた別の能力だから」
指を折り、数えてそう言うA。
「何か……別に知られてもいいかな。害は特にないだろうし」
「なら、その1と2というのは何だ」
「1は“Eins”、誘惑能力。特に使わない。2は“Zwei”、記憶の読み取り。
“卓越者の拡大鏡-シュピーゲル・オブ・ブリジット-”と併用することがほとんどかな。
だから、この能力自体あんまり使い物にならないんだ」
「その分、魔瞳に頼ると随分と便利だな」
「すごくね」
(私、何処に向かうんだろう)
(迷子か、シルア)
(恐らく……)
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久遠深ヶ - 水晶さん» ありがとうございます。評価のことは気にしません。逆に創作意欲を煽られた感じですね(笑) 主人公ちゃん、何か不思議ですよね。自分でも思いますw タメで話すけど、やっぱり敬語が抜けきらなくて……。これからも頑張りますので宜しく御願いします。 (2015年11月18日 23時) (レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 初めまして。とても面白いです。低評価はきっと悪戯のようなものなので気にせずに更新頑張ってください。とても読みやすく、夢主のキャラも個性的でとってもいい小説だと思います。 (2015年11月18日 22時) (レス) id: 6f1547238d (このIDを非表示/違反報告)
久遠深ヶ - 餅兎さん» ありがとうございます。此処に来れなかった数ヶ月の間に燻っていたものが色々爆発しまして、今作に至ります(笑) ルーン文字の原案はあのルーン文字で合ってます。私が歴史を好きなものですから……。コメントありがとうございます。これからも宜しく御願いします。 (2015年11月14日 22時) (レス) id: b419e6a38f (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 新作おめでとうございます。今作の主人公ちゃんも不思議な雰囲気を持っていますね(*^^*) 久遠深ヶ様が執筆されるキャラは魅力的で憧れます。ルーン文字ってあのルーン文字でしょうか? 神秘的で素敵ですよね!。その辺のセンスの良さにも脱帽です笑 更新待ってますね。 (2015年11月14日 15時) (レス) id: 86d4d39a52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久遠深ヶ | 作成日時:2015年11月12日 15時