after story ページ50
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ここは……どこだ?
…俺、浮いてる?
水中に浮かぶような感覚と心地良さを覚えながら、俺はゆっくり目を開けた
なんだ、ここ。
目の前に広がるのは紫色の水。
なのに目開けても痛くないし。
奥にはぼんやりとどこかの光景が見える
水圧抵抗を受けながらも目の前にあったガラスを叩くと
向こう側から声が聞こえた
それと同時にだんだん水が少なくなってきて……視界がはっきり見えるようになってきた
そこには
『キヨさん…!目覚めたんですね…』
白衣を着たAさんが涙目で立っていた
……そういえば俺、なんで生きてんだ?
あの時、2つのウイルスに感染して…
『ふふ、不思議そうな顔してますね』
「…そりゃ、な……」
『キヨさんが入っているこの機会はウイルスの進行を抑える培養ポットです
一昨日ワクチンが完成して打ったんですけど…どうやら効いてたみたいですね』
嬉しそうなAさん
俺だって彼女に会えて嬉しい、けど
いまいち状況が掴めない
ふと彼女の後ろのカレンダーが目に付く
「…あのさ、もしかしてだけど俺…どのくらい寝てた?」
『1年半くらいですかね?』
「ええ!?そんな、長い時間……
…そうだ、街はどうなった!?t-ウイルスワクチンはどうなった!?」
『無事成功しましたよ!
ウイルスを完全に抑えられなくても、ワクチンの開発には成功したのでなんとか再興し始めてます』
「よ、よかったぁ〜…っ!!」
Aさんはクスッと笑って
『あれからの事、お話しておきます』
と、俺以外の4人が洋館から出た後のことを話してくれた
あれからすぐ資料を提出しに行き、ワクチンの開発を進め
Aさんは国の研究メンバーに選ばれたとのこと。
その特権を使って俺を回復させる為にk-ウイルスワクチンの開発に勤しんでくれた。
俺のことはレトさんがここまで運んでくれたという。
当時は既に自我を失い、肌はただれ目を覚ますことは無かったらしい俺。
すぐ培養液の中に入れられ、つい一昨日にワクチンが完成して投与され
今に至るということだ
「そんなこと、あったのか…」
『キヨさんには沢山助けられましたから。しかも…1度は好きになった人ですからね』
「っ、A」
俺が言葉を言いかけると
近くのドアが開いてある男が出てきた
「キヨくん!目覚めるん遅すぎやで」
「…レトさ、」
あることに気がついた
レトさんとAさんの左手の薬指には、同じ指輪がはめられている
「おめでとう…」
綺麗なヒーローのままでいられたら、なんて。
fin.
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さんご(プロフ) - シャオランさん» わ〜!!嬉しいです😭この小説書いて良かったです!!ぜひぜひ何回も読んでやってください😌❤️コメントありがとうございました!! (2022年4月30日 19時) (レス) id: 435cdb899d (このIDを非表示/違反報告)
シャオラン(プロフ) - 今まで読んだ中で1番好きな小説です!もう1回読みたいと思わせるような小説で、画像などのクオリティが凄すぎてもうこれをゲームとしてプレイしたいとまでなりました!!素敵な小説ありがとうございます。 (2022年4月18日 17時) (レス) @page44 id: 3b3e01edc0 (このIDを非表示/違反報告)
さんご。(プロフ) - にこりさん» 嬉しいですありがとうございます;−;画像頑張った甲斐がありました!他の作品も読んでくださってるとの事なので、これからも頑張ります! (2021年9月18日 12時) (レス) id: 964fb42fef (このIDを非表示/違反報告)
にこり(プロフ) - こういうタイプの小説初めて読みました!画像とか凝ってて面白かったです。他の作品も読んでいます素敵な作品をありがとうございました! (2021年9月18日 8時) (レス) id: 77e29caa07 (このIDを非表示/違反報告)
さんご。(プロフ) - sugarさん» ありがとうございます!楽しんでいただけたなら嬉しいです(*´ `*) (2021年9月3日 10時) (レス) id: 964fb42fef (このIDを非表示/違反報告)
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