最終話.君のヒーローになりたくて ページ48
横でガコンと扉が無理やり蹴り開けられた音が聞こえる
レト「A！薬品倉庫から硫酸弾持ってきた……で…
…キヨくん？……おい、キヨくん……！！！」
『レト、くん…』
どうやらレトくんは力づくで鍵のかかった薬品倉庫を開けて硫酸弾を取ってきていたのだろう
私の首元に顔を埋めているキヨさんは既に虫の息だった
それなのにまだクチャリと嫌な咀嚼音が耳元に響く
レト「この野郎…！！」
レトくんはキヨくんを頬張る完全体に硫酸弾を撃ち込んだ
「グギィイァア…！！」
完全体は呆気なくキヨさんから口を離し、苦しそうにして倒れる
それから動くことはもうなかった
牛「キヨ…！！」
彼は私をゆっくりと離した
それから少し微笑んで口を開く
「管理室の電子ロック…解除してくる、から、ここに居て…
みんなは解錠する音が聞こえたら…外に出るんだ……
ガッチさんの持つ�爛錺�チンの資料�瓩鮃颪膨鷭个靴討�れ…
そしたらそれを上空から散布するか何かすればきっと今の状況よりかはマシになる………」
『それじゃあキヨさんが死んじゃうかもしれないですよ…！一緒に行きましょう！？』
キヨ「俺は…k-ウイルスにもt-ウイルスにも感染してる……
k-ウイルスに効くワクチンはAさんに打ったので最後なんだ……資料も作ってない…」
『私が作りあげます！！キヨさんが死ぬなんて、いやです……！』
キヨ「みんな、Aさんをよろしくね。迷惑かけて本当ごめん」
レト「…また迎えに来るわ。それまで絶対死ぬなよ」
牛「とりあえずAを安全な場所に置いて、国にワクチン資料渡したらここ来るから」
ガ「Aちゃんの安全は保証するよ。帰ったらまた飯でも食いに行こうか」
キヨ「あはは、そうだな……
ほら、早く扉の近くへ。俺は行くからさ」
冗談を聞き入れるような風に笑うキヨさん。
キヨさんの身体の数箇所は既にただれ始めていた
彼は首から血を垂れ流しにして管理室へと向かった
数分後、ガチャッと扉が解錠する音が聞こえてきた
レト「A、手貸して」
レトくんは私が噛まれた部分の腕に私が貸していた止血用のカーディガンを巻いてくれた
それからキュッと手を握る
レト「よーし…帰ろか……」
4人で大きな扉を開けると、
そこからはたくさんの夕焼けが差し込んできた
『絶対に…誰も死なないですよね』
牛「あぁ。最後まで…」
ガ「キヨを迎えに来るまで…」
レト「絶対に、ね」
私達は頷いて、洋館の外へと足を踏み出す
きっと大丈夫
私のヒーローはそんなに弱くないのだから。
fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 254人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さんご(プロフ) - シャオランさん» わ〜！！嬉しいです😭この小説書いて良かったです！！ぜひぜひ何回も読んでやってください😌❤️コメントありがとうございました！！ (2022年4月30日 19時) (
レス) id: 435cdb899d (このIDを非表示/違反報告)
シャオラン(プロフ) - 今まで読んだ中で1番好きな小説です！もう1回読みたいと思わせるような小説で、画像などのクオリティが凄すぎてもうこれをゲームとしてプレイしたいとまでなりました！！素敵な小説ありがとうございます。 (2022年4月18日 17時) (レス) @page44 id: 3b3e01edc0 (このIDを非表示/違反報告)
さんご。(プロフ) - にこりさん» 嬉しいですありがとうございます；−；画像頑張った甲斐がありました！他の作品も読んでくださってるとの事なので、これからも頑張ります！ (2021年9月18日 12時) (レス) id: 964fb42fef (このIDを非表示/違反報告)
にこり(プロフ) - こういうタイプの小説初めて読みました！画像とか凝ってて面白かったです。他の作品も読んでいます素敵な作品をありがとうございました！ (2021年9月18日 8時) (レス) id: 77e29caa07 (このIDを非表示/違反報告)
さんご。(プロフ) - sugarさん» ありがとうございます！楽しんでいただけたなら嬉しいです(*´ `*) (2021年9月3日 10時) (レス) id: 964fb42fef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
