【ky】君のヒーローになりたくて【T.O.P.4】

36.白状しちまえ ページ38

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「…何言ってんの？ガッチさん…全然面白くないんだけど」



キヨさんは立ち上がり、ため息をついてそう言う。

私はレトくんの手を借りて彼の横に立った。



ガ「冗談なんかじゃないからね」


牛「何、ついていけねぇんだけど？」



それぞれが様々な表情を見せた



怒りっぽくガッチさんを睨むキヨさん。

悲しそうに眉を下げるガッチさん。

心底不思議そうに2人の顔を交互に見る牛沢さん。

私を安心させるように動じないレトくん。



「ガッチさんさぁ、空気明るくしようと思ったのかもしんねぇけど

さすがにそれにはボケらんねーわ(笑)



……あ？」



『ガッチ、さん……』



ガ「いつまでもふざけないでね」




ガッチさんは



銃をリロードしてその銃口をキヨさんに向けた


その顔はふざけてるなんて冗談でも言えないくらい真剣だった




レト「…ガッチさん！俺ら、分かんないから……キヨくんを疑ってる理由」




ガ「理由は2つある


1つは……、




ここに銃の支給所があった事


これを見て。」



ガッチさんは銃を持つ手とは逆の手でスマホを開いて私達に見せてくれる

そこには彼と誰かのトーク画面があった



大丈夫?そっち安全そう?
トラちん食事もあるしゾンビも来ないから大丈夫そう
こっちはうっしー達と合流して洋館に閉じ込められた
トラちんなにそれ!?平気なの?
トラちん東京でも銃が支給されたって連絡今入ったから、弾がなくなったらすぐ脱出して取りに行って
もう取ったよ



『トラちん…さん？』



ガ「俺の奥さんだよ


でも、この中に違和感ある部分あるでしょ？」



レト「「洋館に閉じ込められた」「銃が支給されたって連絡今入った」……ってとこだね」



『…なるほど、私達が洋館に閉じ込められた時点でもう既に外で銃をゲットしましたもんね……』



ガ「そう。


……ここに支給所があるって言ったのはキヨだよね？

それだと矛盾が生まれるんだけど」




たしかに。

トラちんさんの言うことが本当であればキヨさんだけ銃の支給所の情報が先に入ってたことになる。


が、キヨさんは少し口角をあげて説明を始めた



「普通東京都民に先情報流すでしょ？

埼玉の人には情報を後回しにしたとかじゃないの？」



ガ「仮にそうだとする

キヨは銃ってなんの為に支給されたと思う？」



「身を守るため、じゃねぇの？」



ガ「じゃあ人がいないこんな山奥で支給されるのはおかしくない？

普通人通りが多い場所に置いておくと思うんだけど……？」

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