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どこを走っても戦いの場であるから、走っても意味ないんじゃないか。なんて思ったけど走り続けた。死なないように。
そんな時、急に静まり返って人が全く居ない所を見つけた
ここなら、とそこに駆け寄ると……
「あぁ、待ってたよ……新たなエサが……」
小柄で、黄色いハチマキをした男が立っているのが見えた
そして近づくとはっきり見えるその周りの光景。
……まさか、これ
『ここに溢れた血溜まり…全部あなたが殺ったの？』
「“殺った”なんて言い方辞めてよね、有難く食べたんだよ」
『え？』
「俺がじゃないよ
俺の愛する薔薇ちゃんが、ね」
その男がそう言うと
彼の背からブチブチッと音がして……
大きなイバラと蕾がでてきた。
「この
うねうねと蠢くイバラ。
まるで……感情を持つようにグチャグチャッと音を立てながら右往左往と動いている
────殺される
私の本能がそう感じ取った
逃げないといけない、ゆっくり後ろに下がって……
「なぁに逃げようとしてんの？」
『……！』
シュルルッとイバラが私の背後を取る
どうやら…この場から逃げられる術は無いみたいだ。
「ねぇ、こんなことわざ知ってる？」
『ことわざ…？』
「桃栗3年柿8年、梅はすいすい13年、柚子の大馬鹿18年……
血を吸う薔薇が咲くのは一瞬、ってね」
『はは…最後のは、聞いた事ない…かな』
「じゃあそのことわざが本当だってこと、今から証明してあげよっか」
『私に拒否権は…………ッ、！無いみたい、だね』
「当たり前」
イバラが伸びてきて私を掴もうと素早く動き丸まる。
何とか逃げて避けるけど、こんなのが続いたら息が持たない
でもあんなイバラの棘が体に巻きついて刺さったら、
確実に、死ぬ。
「早く掴まってよ、それで僕の可愛い薔薇ちゃんを君の血で割かせてやるんだ
これほど光栄なことは無いでしょ？」
『それ以上の屈辱は……っ、ない！！！』
「……お前、このイバラから逃げられてるからって調子乗んなよ！」
今まで涼しい表情をしていた彼がグッ、と下唇を噛み力を込めた
そしてイバラがいっそう速まる
「……つーかまーえた」
彼はニヤリと笑って何かを定めたようにこちらを向き
そう呟いた刹那、私の腹部をイバラがぐるぐると巻き付け締め上げた
生々しい音がなり棘が私の身体に刺さっていくのがわかる
熱くて、痛い。
「やぁっと、血を浴びれる」
『そ、…んなこと、させないッ…から！』
私は何とか反発するように、思い切りイバラを拳で叩きつけた
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さんご(プロフ) - いちご丸さん» ありがとうございます、、！Xの方に🗻視点のお話もあるのでよければぜひ！ (1月12日 0時) (
レス) id: 4c714dcc22 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 凄い作品に出会えて感激です..!とんでもない文才ですね!凄く楽しく読むことができました。これからも頑張ってください( *´꒳`*) (1月5日 19時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
さんご(プロフ) - なみのさん» 長編にもかかわらず最後まで読んでくださりありがとうございます☺︎楽しんでいただけたならなによりです！ (11月13日 1時) (レス) id: b4a1483ffc (このIDを非表示/違反報告)
じゃーんえっちふん - みるくちゃあああああああん (10月15日 21時) (レス) @page49 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - とっても面白かったです！あまりにも作り込まれていて、感動しました・・・大好きです！！ (10月15日 21時) (レス) @page49 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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