左遷 ページ24
翌日の昼過ぎ、執務室にお呼び出しを喰らった僕は怖いくらいにニコニコ笑って座っている黄猿さんの前に立っていた。
「それでェ〜、ま〜た中将を殴ったのかぁい？」
トントンと爪の整った長い人差し指がデスクを叩く。
わー、やっぱり怒ってますよね。
「相変わらず顔がむかついたもので」
言い訳も弁明も特にない。
顔も言動もむかついたから殴ってしまった。
「今回はグラント曹長を筆頭に
随分多くの嘆願書が届いてるねェ」
デスクに置かれた紙の束をパラパラとめくる。
枚数は確かにそれなりにある様だ。
「彼等は青雉さん派でしたからね。
その青雉さんに好感を抱いていなかった中将殿を殴った僕に便乗でもしているのではないですか？」
「……今回も、全く反省の色が見えないよねェ〜」
「人前で殴り飛ばして赤っ恥をかかせてしまった事に関しては反省しているつもりです」
これでも一応、人前で殴ってしまった事に対して1mgくらいは罪悪感を抱いているのだ。
あとは食堂のテーブル壊した事に対しては申し訳ないと思っている。
「クビにしろって偉くお冠なんだけどもねェ。
どーいうわけか、トキカケ中将から待ったの声が掛かってるんだよねェ〜」
それはまた意外。
あの場にトキカケさんはいたが、
まさかわざわざそんな事をしてくださるとは。
「そういう訳で〜、元クザンの部隊を連れて
長期の海賊討伐に行ってもらうよォ」
青雉さんの部隊の人達、グラント君達のことか。
それはつまり彼らはあの中将の所に移動するはずだったけど無くなったってことか。
「トータルで、10億ベリー分の海賊討伐…。
それが済むまでは本部に帰って来れないと思いなねェ〜」
10億ベリーか、それはまたかなりの額だな。
億単位の海賊を狙えば早いかもしれないが、
部下達の実力も鑑みれば
そんな危険はなかなか犯せないし。
「じゃあ〜、30分で荷物まとめて行きなねェ〜」
「30分！？時間短っ！！」
「んん〜？」
めっちゃ黒い笑顔でピカピカと光る指先を僕の眉間に向けてくる。パワハラだパワハラ！
しかし、2回目な手前言い返す言葉もなく。
「行ってまいります！」
僕はダッシュで宿舎に向かうと、
必要な荷物をまとめて港の軍艦に乗り込んだ。
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朮’(プロフ) - Sun._raiseさん» コメント有難うございます！拙い文章力ですが、楽しんで頂けて何よりです！ (2022年3月7日 18時) (
レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
Sun._raise(プロフ) - 面白かった！読んでる時のワクワク感がすごく楽しかったです！！ (2022年3月4日 18時) (レス) @page27 id: 276bbde748 (このIDを非表示/違反報告)
朮(プロフ) - Ａさん» コメント有難うございます！期待せず、気長にお待ちいただけると幸いです笑 (2020年7月27日 0時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
Ａ - 新世界、待ってます (2020年7月25日 15時) (レス) id: 95a8535ef0 (このIDを非表示/違反報告)
朮(プロフ) - ぐんなさん» コメント有難うございます！初めてのシリーズだったので主人公はモロ作者の好みです笑。こちらは一先ず完結しているのですが、いずれ新世界編を書きたい！ (2020年3月18日 23時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朮’ | 作成日時：2020年1月31日 18時
