赤と青 ページ17
赤い土の大陸まで行って、またマリージョアを通り抜けて、本部へと帰る。
部下達に面倒な仕事に付き合ってもらったお礼を言って、書き上げた七武海の近況調査の報告書と、道中で出会した海賊達の討伐報告書を持って黄猿さんの執務室に向かう。
未だ修理中の見慣れた本部の廊下。
行き交う海兵達もいつも通りのはずなのに、
胸騒ぎは今も治らずにいる。
––––トントントン
いつも通りにノックをして中に入れば、
黄猿さんはデスクで書類仕事をしていた。
「おォ〜、イツキ君。帰ったのかぁい」
「はい、今し方帰ったばかりです」
相変わらずののんびり口調な上司に書類を渡す。
心なしか、いつもよりもデスクに置かれた黄猿さんの書類仕事の量が多い気がする。
「それで〜、七武海は特に問題なしかぁい？」
「ええ、特にこれといって問題はないですよ」
実際、ハンコックさんが麦わらを匿ってたり
ミホークさんがゾロ君を弟子にしてたりと
問題だらけなのだけれども……。
「そういえば、
赤犬さんと青雉さんの件はどうなりましたか？」
1つ気になるのは、本部に2人の気配がない事だ。
海賊の討伐にでも行ったのだろうか。
「あの2人なら、パンクハザードに行ったよォ」
「パンクハザード？
何故あの立ち入り禁止の島へ……」
何か、嫌な予感がする。
立ち入り禁止のあの島で何か事件が起きたとして、
対立している2人が一緒に行くとも考えられない。
「次期元帥の立場を賭けて、
今頃そこで殺し合いをしてるんじゃないかねェ〜」
「––––っ！！？」
僕はとっさに部屋を飛び出そうとした。
止めないと––––深い考えはない。
ただ、止めないといけないとだけ思って
僕の身体は動いていた。しかし、
––––ダァンッ！！
黄猿さんに背を向けた途端に左肩に強い衝撃が走り、同時に首筋を掴まれて僕の身体は床に叩きつけられた。
「ぐぁっ––––！！」
「どこに行くつもりだぁい？」
僕の肩に思いっきり踵落としした上に、
倒れた僕の背中に片膝を乗せ、
首筋を掴んで押さえつけている黄猿さんを睨む。
「どっちにもつかねェと決めたのは
イツキ君でしょ〜がァ」
何とか抜け出そうとするも、
圧倒的な体格差があるし、筋力で黄猿さんに
勝てるはずもなく身体は全く動かない。
「それなら最後まで、
黙って見てるのが筋ってもんだよォ〜」
黄猿さんの言葉に、
僕は何も言い返す事ができなかった。
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朮’(プロフ) - Sun._raiseさん» コメント有難うございます！拙い文章力ですが、楽しんで頂けて何よりです！ (2022年3月7日 18時) (
レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
Sun._raise(プロフ) - 面白かった！読んでる時のワクワク感がすごく楽しかったです！！ (2022年3月4日 18時) (レス) @page27 id: 276bbde748 (このIDを非表示/違反報告)
朮(プロフ) - Ａさん» コメント有難うございます！期待せず、気長にお待ちいただけると幸いです笑 (2020年7月27日 0時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
Ａ - 新世界、待ってます (2020年7月25日 15時) (レス) id: 95a8535ef0 (このIDを非表示/違反報告)
朮(プロフ) - ぐんなさん» コメント有難うございます！初めてのシリーズだったので主人公はモロ作者の好みです笑。こちらは一先ず完結しているのですが、いずれ新世界編を書きたい！ (2020年3月18日 23時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朮’ | 作成日時：2020年1月31日 18時
