左遷准将、帰還する (ページ22)

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討伐へページ22

結局、麦わら達には逃げられた。

残念！
と思ってる人は少なそうだが。

コビー君なんて拳あげて喜んじゃってるし。
全力でヘルメッポ君が止めてるけども……。

そのまま手ぶらで本部に帰る。
怒られるのはガープさんだろうから、
僕はさっさと逃げて帰還報告を黄猿さんにしよう。

「ただいま戻りした」

ノックをして中に入れば、珍しく黄猿さんは不在。
黄猿さんの椅子には
元バナナワニクッションが座っていた。

「あ、イツキ准将。お帰りなさい」

代わりに出迎えてくれたのは、
部屋番をしつつ部屋の掃除をしていた中尉。

「黄猿さんはどこへ？」

「それが、つい先程事件がありまして」

「事件？」

「白ひげ海賊団2番隊隊長のポートガス・Ｄ・エースが黒ひげと名乗る無名の海賊に敗北。
しかも黒ひげは火拳の身柄と引き換えに
七武海への加入を希望しているそうです」

マジか。
白ひげの隊長を破ったって事は実力は確かだな。
しかし、よりにもよって白ひげの所か。

おそらくインペルダウンに投獄されるけど、
場合によっては白ひげが火拳を取り戻そうと
動く可能性もある。

これで処刑なんて事になれば……
考えただけで恐ろしい。

「現在はマリージョアにて元帥と会議中です」

そうなると帰ってくるのは遅そうだな。
だったらそれまでは適当に休んでよう。

「あ、こちら黄猿さんからイツキ准将へです」

渡されたのは数枚の手配書と資料とログポース。
パラパラとめくれば手配者の海賊が居座っている地域をまとめた資料と、その付近へのログポースだ。

「『10日間で片付けて来ねェ』だそうです」

流石は鬼畜な我が上司。
休む暇もありゃしない。

幸いなのは行き先が偉大なる航路の外なことか。

「それから、今回の討伐には新兵達を連れて行ってほしいそうです。実戦経験を積ませたいとの事で」

新兵の訓練がてら海賊を潰して来いって事か。

「因みに軍艦の方は既に準備が整ってますから、
後は准将が行くだけです！」

うわぁ、嬉しくもない用意周到さ。
つまりは今すぐ行ってこいってか。

「……行って来まーす」

「はい、行ってらっしゃいませ！」

僕は急いで宿舎に向かうと、
手早く荷物を用意して港に向かう。

そして港につけば、本当に僕以外準備万端だった。

「遅いぞ、イツキ准将」

「いやいや、モヴ君。
僕、今さっきW7から帰っきたばっかりだよ？」

因みに今回の僕の副官役は同期のモヴ君です。