97話*セドリックside ページ8
Aは昔から楽しいことが大好きだった。
城の外に出られなくても、どうにか楽しいことをしようと考えていた。
俺も幼い頃は一緒に遊んでいたし、天真爛漫な妹をとても可愛いがっていた。
妹を思う気持ちは今も変わらない。
ロイヤルソードアカデミーに在学中、妹の話を友人にすると、必ずシスコンだと言われていた程だ。
だからAが城を抜け出したと聞いたときは、心配も焦りもあったが、ついにこの日が来てしまったかと思った。
Aは年齢を重ねるにつれて自由を奪われていることに不満を抱いていたから。
必ず自分が一番に見つけ出すと意気込んでAを探した。
久しぶりに会ったAは明るい表情で、きっと今楽しく過ごせているんだろうなと容易に想像することが出来た。
実際、Aに話を聞くと良い人に囲まれて過ごしているようだった。
ナイトレイブンカレッジでと言うのには正直驚いたけど。
でももっと驚いたのは父さんが俺を追跡していたことと、ナイトレイブンカレッジの生徒を野蛮だと言い、有無を言わさないやり方でAに帰ってこいと言ったことだ。
いくらAが大切だからと言ってもやりすぎだと思った。
父さんに従ってわかりましたと言ったAは全てを諦めたような顔をしていた。
城に戻った夜、Aが自分の部屋で泣いていることは知っていた。
ラギーという青年の名前を何度も呼んで泣きじゃくるA、俺は部屋の前で立ち竦むことしか出来なかった。
兄として、何もしてやれない無力さに俺は情けなくなった。
リアム王子との婚約が正式に結ばれ、可愛い妹がついに嫁に行ってしまうのかと寂しく思っていた俺は、Aから聞かされた話に困惑した。
父さんが信頼を置いているリアム王子が?
ロイヤルソードアカデミーでも優秀だと有名なあのリアム王子が?
そんな馬鹿な、と思った。
でも泣きそうな顔で必死に訴えるAを見て、調べる必要があると思った。
Aを部屋に送った後、情報を集めるために動いていた時だった。
後ろから誰かに羽交い締めにされ、目の前にリアム王子が現れた。
リア「誰かと思えばセドリック様ではないですか。」
兄「離せ。」
リア「でも僕の計画を邪魔されるわけにはいかないんですよね。」
その言葉を聞き、Aの話は真実だったんだと確信した。
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シュリ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます!今少し忙しいので、落ち着いたらまた更新します!! (2020年7月19日 1時) (レス) id: 907147449f (このIDを非表示/違反報告)
花 - 応援してまーす!!頑張って下さいー (2020年7月16日 23時) (レス) id: 411425b92f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリ | 作成日時:2020年7月1日 23時