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122話*ラギーside ページ33

オレの目が覚めた日、保健室は大騒ぎだった。
朝ごはんを…と、Aのためにお弁当を作って持ってきてくれたジャミルくんと一緒に来たカリムくんによって、オレの目が覚めたことが瞬く間に広まり、保健室には次々に人が訪れた。
それは先生も例外ではなく、学園長は大袈裟な泣き真似までしていた。

レオナさんはいつもの調子で起きるのが遅いとぶっきらぼうに言っていたけど、尻尾がゆらゆらとご機嫌そうに揺れていて…
ジャックくんなんてオレの母さんか、彼女か、というくらい甲斐甲斐しく必要なものはないか、などと世話を焼き始める始末。

他の寮のみんなも目が覚めたことを大喜びしてくれていて、なんだかむず痒かった。

一番驚いたのはレオナ先輩から連絡が行ったらしいセドリックさんが、もの凄く急いでいる様子で保健室に駆け込んで来て、そのままの勢いでオレを抱きしめ、涙を流してくれたこと。
これにはAも驚いていた。




あれから数日。


世間をざわつかせる新聞が撒かれた。

リアム王子が婚約者を閉じ込め、乱暴したという内容。
Aの力のことについては一切記載されていなかった。
他にもリアム王子が実は女性関係にだらしなかったとか、実は強欲でいろんなものを法外な手段で手に入れていたことなどが明るみに出た。
もちろん逮捕されるらしい。

この情報はあの日、レオナさんとアズールくんとリドルくんが得た情報で、オレが寝てる間に色々と動いてくれていたらしい。


Aのご両親が、保健室に来たのも驚いた。
セドリックさんから話を聞き、さらに新聞が出たことで状況を理解し、Aに謝っていた。

これからは自分の幸せのために好きなように生きなさい。

そう言われたAは嬉しそうな笑顔で涙を流していた。


オレもAも普通の生活に戻れるまで回復し、保健室から寮へと戻った。

サバナクローの寮へと入った瞬間に色んな先輩や同級生、後輩が駆け寄って来て、みんなが心配してくれていたことがひしひしと伝わってきた。
まぁ、オレよりAの心配だってことは一目瞭然だったけど。

今まで通りの生活に戻っても、きっと寮の奴らはAのことを守ろうと動くんだろうな…

そんなふうに思うと嬉しいような、ちょっと妬けるようななんとも言い難い感情が心をぐるぐると回る。


Aが幸せならそれで良いんだけど…

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作品ジャンル:恋愛
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シュリ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます!今少し忙しいので、落ち着いたらまた更新します!! (2020年7月19日 1時) (レス) id: 907147449f (このIDを非表示/違反報告)
- 応援してまーす!!頑張って下さいー (2020年7月16日 23時) (レス) id: 411425b92f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュリ | 作成日時:2020年7月1日 23時

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