120話 ページ31
みんなもまた来るからと言って帰って行き、お兄様と二人だけになった。
兄「A、みんないい人だな。」
「うん…」
兄「ラギーくんのこと、俺も気に入ったよ。Aは良い人と出会ったな。」
「うん…」
お兄様がラギーのことを褒めてくれた。
大好きな人のことを大切な家族に褒められるのはこんなにも嬉しいことなんだなと心がぽかぽかした。
ゆったりした時間が流れる…
しかしその空気はいきなり壊された。
エ「A！！」
デ「A！！」
ユ「Aちゃん！！」
グ「A！！」
バタバタと走って来る足音が聞こえたかと思うと、保健室の扉が勢いよく開けられ、エースくんとデュースくんとユウくんとグリムくんが私の名前を呼びながら入ってきた。
みんなはお兄様に気付き、軽く挨拶をしてから私に向き直った。
エ「大丈夫かよ？」
「うん、なんとか…みんなが助けてくれたから…」
デ「目を覚ましたってジャックに聞いて、いてもたってもいられなくて…急に押しかけてしまってすまない。」
「ううん、みんなに会えて嬉しいよ。」
ユ「心配した…でも本当によかった。」
「ありがとう、ユウくん。」
グ「オレ様も心配したんだゾ。」
「グリムくんも、ありがとね。」
エ「顔見れたし、俺たちは行くわ。」
デ「そうだな、長居するのも良くないな。」
そう言って四人は来た時と同じように騒がしく帰っていった。
「ふふっ…」
兄「どうした？」
「幸せだなって…セディお兄様、学校って素敵なところね。」
兄「A…あぁ、本当にそうだな。」
お兄様はまた明日来ると言って帰って行った。
絶対に安静にしてなさいと私に何度も言い聞かせるのも忘れず。
外が暗くなっても、たくさん眠っていたからか眠くならず、私はじっと天井を見つめていた。
ゆっくりと起き上がり、ベッドから降りる。
そっと隣のベッドとの仕切りになっているカーテンを開けた。
「ラギー…っ…」
たくさん包帯を巻かれ、顔にも絆創膏が貼られ、とても痛々しい姿で眠るラギー。
「ごめん…ごめんなさい…ラギー…」
そう呟いても何も返ってはこない。
頬を伝う涙を拭って私は自分のベッドに潜り込んだ。
ラギーの声が聞きたい。
ラギーの笑った顔が見たい。
ラギー…早く目を覚まして…
布団に潜ってそう祈っているうちに私は眠ってしまった。
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シュリ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！今少し忙しいので、落ち着いたらまた更新します！！ (2020年7月19日 1時) (
レス) id: 907147449f (このIDを非表示/違反報告)
花 - 応援してまーす!!頑張って下さいー (2020年7月16日 23時) (レス) id: 411425b92f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュリ | 作成日時：2020年7月1日 23時
