112話 ページ23
ジクジクと痛む脚。
視界の端で自分の血で容器が次々に満タンになっていく。
人間はどれくらい血を失うとダメなんだろう…
頭も視界もぼーっとしている。
もう、目を閉じてしまった方が、意識を手放してしまった方が楽なんじゃないかな…
そう思って目を閉じる。
ドーンッ!!!!!
遠くの方で何やら大きな音がした気がして、私はまたゆっくりと瞼を持ち上げた。
目だけを動かしてリアム王子を見ると、さっきまで座っていたのに驚いたような表情で立ち上がっていた。
リア「おい!今のは何の音だ!?」
側近「リアム王子!何やら侵入者のようです!私も少し席を外して様子を見てきますので、王子はこちらでお待ちください!」
リア「侵入者はきっちり処分して来るんだ。」
側近「かしこまりました。」
こんな大事な実験中に侵入者なんて…とぶつぶつ言いながらリアム王子はもう一度椅子に座り、私の血が溜まっている容器を眺め、フッと笑みを浮かべた。
リア「そろそろ限界か…死なれてはいけないからな。そろそろ終わりにしておこう。」
そう言って私の脚から注射針を抜いた。
リア「今日も点滴が必要そうだ。それにしても…貴女は本当に美しいですね。苦しみに歪む顔もとてもそそられますよ。」
そう言って私の頬をするりと撫でた。
リア「明日は貴女自身を美味しくいただきますね。」
そういうと私の唇に自分の唇を重ねた。
やはりこの人とのキスは嫌悪感しかない。
何度も重ねられる唇。
薬で身体が動かないし、もし薬が切れていても今の私は貧血がひどく動けない。
だからどれほど嫌でも耐えるしかない。
頬を伝う生ぬるい滴も、見つかって舐めとられてしまう。
リア「貴女の涙は無駄にしてはいけませんからね。あぁ、身体の疲れが消えていくようだ…」
涙を流しても喜ばせてしまうだけ。
だから必死で涙を止めようとするが、それは叶わず涙は流れ続ける。
ザワザワと遠くで聞こえる音がバタバタと近づいて来る。
侵入者と言ってたっけ…誰でも良い。
こんな生活耐えられないから、いっそのこと私の命を奪って欲しい。
そんな私の願いが届いたのか喧騒がどんどん近づいて来て、ついには私のいる部屋の扉が破壊された。
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シュリ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます!今少し忙しいので、落ち着いたらまた更新します!! (2020年7月19日 1時) (レス) id: 907147449f (このIDを非表示/違反報告)
花 - 応援してまーす!!頑張って下さいー (2020年7月16日 23時) (レス) id: 411425b92f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリ | 作成日時:2020年7月1日 23時