106話 ページ17
「っ…あ…くるし…」
そのまま骨を折られるのでは？と怖くなる。
それでも涙だけは流してはいけないと必死で我慢する。
リアム王子は締め付ける力を強めたり、弱めたりして私の反応を見て薄ら笑いを浮かべていた。
何度も繰り返されて、体力もなくなってきた頃、リアム王子は締め付ける力を拘束出来るだけの力まで弱めた。
リア「では、ここからが本番ですよ？」
そう言ってリアム王子が杖を振った瞬間、目の前が真っ暗になった。
そして、足音が聞こえてくる。
？「A。」
名前を呼ばれてそちらに顔を向けると、そこにはラギーがいた。
「ら…ぎー…？」
ラ「A、酷いッスよ。あっさり他の男に乗り換えるなんて…」
悲しそうな表情で言葉を紡ぐラギーに、私は動揺を隠せない。
“ラギー…ごめんなさい…でも、違うの！”
そう言いたくても話せないようにされているようで、言葉が出なかった。
ラ「でも…もう良いッス。オレも他に好きな子出来たッスから。アンタみたいな最低な女、もういらないッス。」
悲しい表情から冷たい目に変わり、吐き捨てるようにそう言うラギー。
“待って…いやだ…私はラギーが好きなのに…”
“いらないなんて…言わないで…”
心がぎゅうっと握り潰されるような感覚。
ラギーは私に背を向けて離れていく。
“待って…待って…お願い…ラギー…”
そんな思いも届かず、ラギーは闇の中に消えて行った。
そして今度はジャミル先輩とフロイド先輩が現れ、最低だとか、見損なっただとか、散々私を責めた。
ラギーの事でショックを受けている私に、さらに追い打ちをかける言葉の数々。
ジャミル先輩とフロイド先輩の次はジャックくんとレオナ先輩。
次々に冷たい、辛辣な言葉を投げつけられ、私の精神はボロボロだった。
リア「よし、いいぞ！」
目の前が真っ暗な状態から、元通りになると、リアム王子の声が聞こえた。
そちらに視線を向けると、自ら指に浅い切り傷をつけ、そこに試験管から透明の液体を垂らしているのが見えた。
リア「これは！素晴らしい！」
液体をかけられると、そこは少し光を纏ってから、傷なんて無かったかのように元通りになっていた。
あぁ、涙をとられたんだ。
そこまで見て、理解して、やっと頬を伝う涙に気付いた。
私が知らなかった私の力を初めて目にして、不思議な気持ちだった。
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シュリ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！今少し忙しいので、落ち着いたらまた更新します！！ (2020年7月19日 1時) (
レス) id: 907147449f (このIDを非表示/違反報告)
花 - 応援してまーす!!頑張って下さいー (2020年7月16日 23時) (レス) id: 411425b92f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュリ | 作成日時：2020年7月1日 23時
