104話 ページ15
もうすぐ船が港に着く。
これからの事が不安でしかない。
誰もが欲する魔法の花の力を持っていたとしても、魔力があったとしてもそれをコントロールする術を私は知らない。
ナイトレイブンカレッジに少し通わせて貰ったものの、実践なんてほとんど経験しないまま今に至る。
だからリアム王子に勝ってここを抜け出すなんて事は不可能だろう。
船のスピードが落ちるのにしたがって、私の気分はどんよりと曇る。
リア「さぁ、そろそろ着くよ。僕達の愛の巣だ。」
そう言ってリアム王子が指したのは見えてきたお城…ではなく、お城よりも海に近い所にある大きな邸宅。
国王陛下と王妃様はお城に住んでいるが、リアム王子はその邸宅で住んでいるらしく、私もそこで過ごすことになるようだ。
リアム王子とリアム王子の部下しかいない邸宅での暮らしか…
ため息を着きたくなる私とは逆に、リアム王子は得意げな笑みを浮かべていた。
船から降りて、邸宅に案内される。
私の部屋は広い邸宅の一番奥に準備されていた。
充分過ぎるほど広い部屋、天蓋付きの大きなベッドに立派なドレッサー、ソファーにテーブル、ウォークインクローゼットと全て揃っていた。
ウォークインクローゼットの中にはリアム王子好みのドレスと合わせる小物がズラリと並んでいた。
リア「どうだい？気に入ったかな？僕の寝室はすぐ近くにある。ちなみに、逃げようなんて考えないでくれよ？この部屋の窓と扉にはセンサーが着いているからな。」
邸宅に着いてからのリアム王子は表情や口調が変わった。
ここでは取り繕わなくても良いんだろうし、これが本性なのだろう。
そう思っても変わり様に少しだけ恐怖を感じる。
「私は自由に部屋を出入りしてはいけないと言うの？」
リア「部屋の中にほとんど揃えてある。必要なものがあれば召使いに頼むといい。食事は朝はここに運ばせるし、昼と夜は召使いに案内させる。貴女はもう僕のモノなんだから勝手に出ることは許されないよ。」
「そんな…」
リア「もし勝手に部屋を出たら…その時はキツくお仕置をしなくてはいけないな。」
リアム王子の言葉に私は今日から支配されてしまうのだと悟った。
着るもの、食べるもの、全て自由がない暮らしが始まるのだと…
リア「怖がっているのか？どんな表情も素敵だ…もっと顔を歪ませたくなるね。」
そう言って私の頬をするりと撫でられ、嫌悪感を感じて二歩程後ずさる。
リアム王子は満足そうに笑い部屋を出ていった。
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シュリ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！今少し忙しいので、落ち着いたらまた更新します！！ (2020年7月19日 1時) (
レス) id: 907147449f (このIDを非表示/違反報告)
花 - 応援してまーす!!頑張って下さいー (2020年7月16日 23時) (レス) id: 411425b92f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュリ | 作成日時：2020年7月1日 23時
