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お互い、双子だから得している所もあるが、双子だから損している所も確かにある。
寧ろデメリットの方が多い様な気がする。こうして意図せず相手の心を除けてしまえたり、行動に容易に干渉出来てしまったりと、不都合な部分も少なくない。双子のシンパシーとは陳腐な表現だが、全くその通りだと思う。
だから、兄さんが“何かを隠している事”も必然的に分かっていた。
生まれた時から一緒と言うのは、それだけお互いにリスクがある証拠だ。二人だけの空間は過ごし易くもあり、それと同じくらい居辛い。これを何かに例える事は、一生を掛けても出来はしないだろう。何故なら、他人には伝わらないからだ。
兄さんは「そう、なら良いんだが」と言いながらも、様子に何か変化が無いかと俺の周りをぐるりと一周する。何が“なら良いんだが”だ、全く納得してないじゃないか。かく言う俺も、兄への猜疑心は募る一方だった。
その1分後、この件はこれでお終いにしようと一旦の区切りを付け、二人で会場を回る事になった。
どうしてこうなったと思うのだが、結局腐っても双子と言った所か。例え、別の道を歩もうとも、行動も感情も血の繋がりも、お互いを結ぶ縁は一生経っても切れる事はないんだろう。
擦れ違う招待客と軽く挨拶を交わし、面白くも何ともない調度品を見て「センスがないな」と罵る兄を強引とも言えるフォローしながら、だだっ広い会場を練り歩く。
招待客の一部には、俺達と同じくこの宴会に招待された絢爛学園の生徒がチラホラと居たが、他の招待客と変わらず挨拶をするだけに留めた。
この会場には天使の他、死神も招待されている。その中には天使至上主義派や死神至上主義派も僅かながらに居るのだ。下手に親しげに会話をすれば、何を言われるか分からない。
なので、無闇矢鱈な接触は避けようと、たった数分間に絢爛学園の生徒達の間で暗黙の了解が出来上がっていた。
しかし、その理から外れる存在が俺達には居る。
「やぁ、阿知葉さん」
「おや、ウノとゼロじゃないですか」
「やっと見つけました、本当探しましたよ」
そう、阿知葉簪さんである。
彼もこの宴会に招待された死神家系の一族だが、俺達にとっては十年以上の付き合いがある親友なのだ。今更他人行儀にもなれない。現に兄さんも、簪さんとだけは会話の輪を広げようとしている。ある意味では、この宴会における俺達の緊急避難場所かもしれない。
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十二月三十一日(プロフ) - すふ丸【低浮上】さん» ご閲覧有難う御座います。そう言って頂けると光栄です。とても励みになります。内容が内容なだけにスローペースでの更新となりますが、今後とも応援宜しくお願いします。 (2018年6月8日 22時) (
レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
すふ丸【低浮上】(プロフ) - 突然のコメント失礼します。試験勉強の合間に読み返したくなるくらいお話が好きです(^o^)撫子さんとゼロさんの今後が凄く気になります！更新楽しみにしております、頑張って下さい！ (2018年6月8日 21時) (レス) id: 5ecb48edcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十二月三十一日 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年5月8日 23時
