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ありとあらゆる情報を把握し、それを武器にして生きてきた僕にとって、絢爛学園の新入生の情報はこの閉鎖空間の中では新鮮且つ強い情報網である。
個人のプロフィールは勿論、出身地や出身校、家系、立場等、武器として使う為に調べる上げるのは当然の事。最早、一年で一番気合を入れているぐらいだ。
その中でも一際異彩を放っていたのがムーンライトだった様に思える。元ストリートチルドレンで、恐らくロシア系の人種。その他諸々があったにはあったのだが、ストリートチルドレンだった事もあり、情報量が他の新入生に比べて少なかった故に、彼女と関わりを持った所でメリットも無ければ、得られる情報も無いと判断していた。
個人との関わりにその人のステータスが気になるのかと問われれば、「YES」である。ステータスは大事だ。行動一つで全てが変わる世の中なのだから、低ステータスの人間には興味は無い。
こうして見ても、所詮僕も高いステータス持ちの人間で、権力に胡座をかいた愚か者なのだ。そう思うと、高ステータス持ちなのにも関わらず、聖人の様に慈悲深いゼロは本当に貴重な人格者だと思われる。心底羨ましいが、化け物と呼ばれた僕には聖人はおろか、善人にも一生なれないだろう。
だが、目の前の無造作な銀色が煩わしくて。
「……道に迷っているのですか?」
つい、声を掛けてしまった。
いつも通りの声、いつも通りの口調、いつも通りの表情で、いつもの僕なら絶対に言わない事を言った。やってしまったと瞬間的に悟ったが、口を突いて出たのだから仕方が無い。最後まで筋を通そうではないか。
案の定、彼女は僕の姿を見て、訝しげな様子で少し後退った。剣呑さを孕む真紅の瞳は、僕を文字通り剣を突き刺す勢いで睨みつける。
やはり、こうして真正面で対峙しても、彼女の姿は依然女性らしく無く、下手をすれば男と間違いかねない立ち振る舞いが一々目に付いてしまう。ストリートチルドレンだったら百点満点の立ち姿ではあるが、女性としては完全に赤点、人によっては0点である。
僕の秘書がこれを見たらどう思うか。今すぐにでも指摘するかもしれない。……はて、何の話だったか。
警戒心を解くにしても、この僕が相手では無理がある。「怪しい者じゃありません」と言った所で微塵も説得力が無いのが困り者だ。どうやら彼女は僕が何者なのかを知っているらしく、いつもなら面白がって揶揄っている所だが、今回に限っては知らなくても良い事だった。
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十二月三十一日(プロフ) - すふ丸【低浮上】さん» ご閲覧有難う御座います。そう言って頂けると光栄です。とても励みになります。内容が内容なだけにスローペースでの更新となりますが、今後とも応援宜しくお願いします。 (2018年6月8日 22時) (
レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
すふ丸【低浮上】(プロフ) - 突然のコメント失礼します。試験勉強の合間に読み返したくなるくらいお話が好きです(^o^)撫子さんとゼロさんの今後が凄く気になります！更新楽しみにしております、頑張って下さい！ (2018年6月8日 21時) (レス) id: 5ecb48edcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十二月三十一日 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年5月8日 23時
