先生へ -YG-

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Aさん

正直驚きました。
でも、僕も春になってAさんに会えるのを
楽しみに待っています。

ミンユンギ


そう彼から返事が来た時は心底ほっとした。
その手紙を読んで、既に入学の準備を済ませていた私は ようやく制服をじっくりと見ることが出来た。
紺色のセーラー服で 襟には水色の二本線が並んでいて 胸元に同じ色のスカーフが添えられているそれはまさに思い描いていた通りのもので嬉しかった。
これを着て彼に会うのが不安で仕方なかったのが、やっと楽しみに思えた。


入学式を迎えた朝は 5時に目が覚めた。
念入りに支度をして家を出た私の足は心做しか震えていたと思う。

ユンギさん。
今日からは先生、と呼ぶべき相手。
今までよりも距離を感じてしまうかもしれない。
それでも、会いたくて会いたくてたまらなかった。


見慣れない生徒ばかりの中
そわそわと入学式の為体育館に足を踏み入れると 否が応でもきょろきょろと目線を動かしてしまう。
やっとのことで舞台の右端に教員席を見つけると
そこからは探す必要もなかった。

中学一年の春 二度しか見ることのなかった彼の姿は 全く変わっておらず
真っ白の肌と細い手足、それに比べると柔らかそうな頬と鋭い目付き。
見紛うはずがないほど、私の恋焦がれるミンユンギその人だった。


じっと見つめていると、瞬間スローモーションのように目線が合い 少し眉を動かした後、彼は目を伏せて 少し笑った。
その胸ポケットには 私が贈った白いボールペンが差されていた。


射抜かれた気分だった。


もう、間違いようがない。

私は彼のことが どうしようもなく好きだと思い知った。

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